イベント・勉強会レポート – 一般社団法人コワーキングスペース協会 https://coworking-japan.org 「コワーキングスペース協会®」は、一般社団法人コワーキングスペース協会の登録商標です。 Wed, 24 Jun 2026 05:31:59 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.7.7 https://i0.wp.com/coworking-japan.org/wp-content/uploads/2018/02/cropped-kaku_logo.png?fit=32%2C32&ssl=1 イベント・勉強会レポート – 一般社団法人コワーキングスペース協会 https://coworking-japan.org 32 32 142328573 「コワーキングスペース&シェアオフィス AREA358」を運営する有限会社シーピーエス 横堀さん、作美さん、オフィスプラス株式会社 出浦さんにお話いただきました(第86回コワーキングスペース運営者勉強会®) https://coworking-japan.org/20220526-area358/ Wed, 02 Nov 2022 01:34:53 +0000 https://coworking-japan.org/?p=7905 埼玉県本庄市で「コワーキングスペース&シェアオフィス AREA358」を運営する有限会社シーピーエス 横堀さん、作美さんにお話いただきました。

日時:2022年5月26日(木曜日)19時~20時
場所:コワーキングスペース&シェアオフィス AREA358(オンライン配信も同時開催)

今年、2022年の1月11日より埼玉県本庄市にオープンした、「コワーキングスペース&シェアオフィスAREA358」の運営責任者の横堀と申します。今日は、私たちがどんな思いでこのスペースのオープンに至ったのか、そして今後どういったことを考えているのか、オープンまでの経緯などを含めてお話したいと思います。

(作美さん)
一緒に登壇させていただく、作美恵子です。どうぞよろしくお願いいたします。
私は有限会社シーピーエスに入り、20数年が経ちました。現在は、AREA358のコミュニティマネージャーという形で受付をしております。元はパソコンスクールの講師で、講師歴が20数年です。コワーキングの勉強会というのは初めてなので、本当にありがたい機会をいただきドキドキワクワクで当日を迎えております。こうした感じで横堀に差し込みつつ離れつつ、フォローに入らせていただきます。

コワーキングスペースのオープンは「人生をかけた勝負」

教材販売からの事業転換

私たちの法人は有限会社シーピーエスと申しまして、創立が1998年です。
法人を立ち上げたのは2001年で、かれこれ20数年になります。元々はパソコンの教育事業を行っており、「誰でも簡単パソコン教室」という触れ込みでフランチャイズとして1998年にオープンしました。パソコン教室以外にも教材の製本業を始めるなど色々やってきましたが、今年の1月に人生をかけた勝負ということでコワーキングスペースをオープンしました。

簡単に自己紹介をさせていただきます。2001年に法人化し、フォトブックの全国展開など多数の事業を経験して現在に至ります。フォトブックはパソコン教室教材として、全国の700〜800店程の代理店を通じて販売した経緯があります。製本会社と提携して行っていたのですが、紙の業界が厳しくなり、どんどん先細りをして外注先がなくなってしまいました。そのため、事業を中止して転換を図っています。

今までは本庄駅の南口に本社を構えていましたが、1月に北口のこちらに本社もパソコンスクールもフルコミットして、コワーキングスペース内に吸収させた形です。コワーキングスペースとシェアオフィスを地方で単独事業として運営していくのは厳しいだろうという状況の中で、まずはどういった形で地域の方に認知していただくかという仕組みを作るために、今は主にパソコンスクール・IT教育・DX支援などで生計を立てております。今はコワーキングで収益を図っていけるよう、仕組み作りを行っている途中です。

私の好物はコーヒーとワイン、趣味は料理と音楽です。これらもコワーキングで色々と発信することに繋がっているので、後ほどご紹介させていただきます。

運営会社のミッションは、『私たちは人々にテクノロジーの便利さを伝え、”活用できる”人を創出し、地域社会に貢献する』。これが私たちの目指すべき場所、コンセプトとして掲げています。パソコン教室やDX支援、今回のコワーキングなど全てにおいてこれが大きな源、私たちの存在意義です。

副業人材活用プラットフォーム「Skill Shift」の運用

幸いにも本庄商工会議所様から委託を受けて「本庄商工会議所パソコン教室」という名前で広報させていただいたり、地域の中小企業に副業人材マッチングサービスというのを提供したりしています。最近、“副業人材活用”という言葉をプレスやマスコミでお聞きになると思います。都心のベンチャー企業や大手企業が副業を解禁し、政府もそれを後押ししています。

地方の中小企業がそうした方々を活用できるように、「Skill Shift」という副業人材活用プラットフォームのパートナーをしています。地方の中小企業のDX支援や広報をはじめ、色々な事業において支援をするという少し特殊な仕事です。

実は、私たちもSkill Shiftに「地方のコワーキングの運営を助けてください」という形で掲載していまして、10日経って17人程の応募がありました。先日は東京都内でコワーキングスペースをされている元大手芸能事務所の方と面談しましたし、25歳程のベンチャー企業の社長や大手IT企業の社長、副業者の方などにご応募いただいています。こうした面白い方々と繋がるプラットフォームの運用をしている側面もあります。

人生に色々なきっかけをくれた地域の商工会議所青年部活動

私は今まで、地域活動をやってきた経緯があります。県の商工会議所青年部の副会長と本庄の商工会議所青年部の会長を歴任したり、今は青年部のOB会の会長をやっていたりと、仕事以外では青年部にどっぷり浸かっているような人生を送ってきました。

このコワーキングを立ち上げるにあたっても、建設やインフラ整備などを青年部の仲間が協力し合って構築してくれています。実は、このビルも青年部の先輩が所有するビルなんですね。ここをお借りできたというのが、この場所で事業を行うきっかけになったところもあります。青年部活動は今までの人生において色々なきっかけを作ってくれた活動なので、お話しさせていただきました。

コロナ禍で膨らんだコワーキングスペースのイメージ

このコワーキングスペースに初めて入った方に「本庄らしからぬ感じだね」と言っていただくことが多いです。実は、私がこのコワーキングを立ち上げようと考えたのは6、7年前。2015年に大宮でコワーキングスペース7Fを運営している星野さんと初めてお会いした時に、コワーキングスペースをやろうと思っているという話をさせていただきました。

コワーキングスペースが本庄にあったら面白いなと思ったきっかけは、自分自身が利用者だったからです。様々なコワーキングスペースを利用して、利便性はもちろん、面白い人がたくさん集まってくるということを知りました。「これをぜひ地元に持って行きたい」という思いで作ってみたものの、思うようにいかないと思案しているうちにコロナ禍に突入。ただ、コロナ禍で自分のコワーキングスペースへのイメージがどんどん膨らんでいきました。

ワークスペースだけだと難しいので、少しカフェ寄りの、ライブもできるスタジオ的なもの。色々な要素を織り交ぜながら次のイメージを考えていました。

コロナ禍で膨らんだコワーキングスペースのイメージ

  • ジャズが流れるオフィス
  • 疲れた時にはバーカウンターで美味しいコーヒーを飲みながら絵画を眺める
  • コミュニケーションマネージャーとの会話を楽しむ
  • パーティーやミートアップなども行い、新たな出会いを創出する
  • 週末にはライブやマーケットも開催される
  • 遊ぶように働く場所、仕事が楽しくなる場所、みんなが幸福になる場所、生産性が上がる場所
  • 新しい働き方、生き方、新しい時代を生きる勇気と力を提供する場所

今、このイメージに少しずつ近づけて構築している感じです。私たちのステータスとして、BGMでジャズを流しています。

幸せを届けるラッキーナンバー

皆さんに「AREA358の358って何?」とよく聞かれます。ネットで検索するとすぐに出てきますが、この358はエンジェルナンバー幸せを呼ぶ番号などといわれていて、色々な逸話があります。

「皆さんに幸せを運ぶ場所にしたい」という思いや、「area358.com」というドメインが取れたことなど、様々な理由で358にしました。私の車のナンバーも358です。先日財布を落としたのですがすぐに見つかったり、会員も財布を落としてすぐ戻ってきたりと、358にして良かったと思う出来事がありました。皆さんに幸せを届けるラッキーナンバーとして358にしています。

AREA358のミッション

地方の中小企業と首都圏の大企業とのデジタル格差解消

これは私が肌で感じている、一番解決したい部分です。埼玉県の中でも北側と南側では状況や情勢が全然違います。本庄市はほとんど群馬です。人口は7万8千人。JR高崎線と上越新幹線があるので非常に便が良い町といわれています。JR高崎線の乗降客数は2万人程。関越自動車道の本庄インターもあるのでアクセスは非常に良く、外部から人が流れて来やすいところもあります。

歴史を遡ると、本庄には中山道の宿場町というものがあり、人が流れていく町なんですね。今もその経緯は変わらず群馬の方々が流れてきますが、人口8万人程度の地方の田舎町です。南側とは状況が全然違います。温度差がすごくある。先程お話した副業人材活用も、格差を少しでも解消していくために行っていることの一つです。このコワーキングスペースは、主に都心でデジタルを活用している方や、移住してきた方に利用していただいており、地域貢献にも繋げています。

地方資産を活用し、課題を解決

実は私たちは、こちら以外にも空き家を一軒借りており、今後の活用を考えています。畑がたくさん余っているため、農業分野にも取り組む予定です。今日は協力してくれるIT農家の方もいらっしゃっていますので、後程ご紹介します。空き地・空き家・空きビルの問題、そして耕作放棄地問題なども解決していきたいと思っております。こうした問題は、一見ネガティブに捉えがちですが、地方にはこうした資産があるとプラスに考えています。

新しい働き方の提案

  • テレワークの推進・雇用促進
  • 生産性向上のための仕掛け(オフィスのイノベーション)

テレワークの推進・雇用促進に関しては文字の通りです。生産性向上のための仕掛けとして、私たちはエスプレッソコーヒーを提供しています。地元のコーヒーの焙煎屋と「集中できるコーヒーを作ろう」と言って、何ヶ月もかけてAREA358のオリジナルブレンドコーヒーを作りました。生産性向上のために「集中するためのコーヒー」というテーマを置いています。

先程BGMでジャズを流しているというお話をしましたが、音楽が流れている方が集中できる方と、音楽が流れていると雑念が入ってしまうという方の2パターンに分かれます。音楽が流れている方が外の車の音などが上書きされるから良いという方々は、ジャズが流れるエリアを使うことによって集中力が増すんですよね。これは私たちも実感していますし、実験結果でも出ているというお話を伺っています。生産性が上がる環境は人それぞれなので、集中できる部屋と少しざわつき感のある部屋を分けている形です。

エンタメやアートも仕掛けの一つ

地方でコワーキングスペースだけの運営は厳しいということで、色々な交流やコラボを進めています。週末はワークスペースとしての稼働率が低いため、週末ライブ計画ということで、ジャズライブやフラメンコのライブなどを行っています。DXに関するセミナーなども行いますが、週末はこうしたエンターテイメントも取り入れながら、地域の方々にお披露目する機会を作っている最中です。

実は、ビル全体もアートビル、ギャラリーになっていることも仕掛けの一つです。私たちではなく、こちらのビルのオーナーがこうした仕掛けをされています。プレスリリースをかけたところ、3月26日と5月13日に日経新聞に取り上げられております。「空き店舗でビジネス創造」ということで、一般の方からは驚くほど反響がないのですが、金融関係や同業者の方々から反響をいただきました。

「交流深めビジネス創造」という記事。こちらは最後の方に説明しようと思っていますが、埼玉の県北地域、秩父や熊谷などのコワーキングと連携してこれから色々企てていこうということを取材していただいた記事です。

設立の動機と経緯

創業者としての苦労・経験を生かしたい

私が1998年に創業した時は、事業主としての経験が薄かったので結構大変でした。例えば、「青色申告って何ですか」と相談しても「顔が真っ青になってしまうことだよ」と茶化す先輩もいて、なかなか教えてもらえなかったんですよね。自ら書籍を読んだり、セミナーに行ったりして一生懸命勉強しました。

「これはもっとショートカットする方法があったのではないかな」と、あとから思ったんです。だから、創業支援を軸にやっていきたいと思いました。私は成果を上げている方の話を聞きたかった。私も少なからず20年程事業をやってきているので、そうした経験が皆さんの参考になればなと思い、まず拠点を作ろうと考えました。

様々なコワーキングへ相談

先程もお伝えした通り、私はコワーキングスペースの利用者でした。「コワーキングスペース7F」の星野さんやコワーキングスペース運営者勉強会でも使われていた町田の「BUSO AGORA」さんなど、色々なところに相談に行きました。九州まで行ったこともあります。皆さん相談を快く聞いてくださいました。「これからコワーキングを始めようと思っているんです」というお話をすると、本当にオープンに教えてくださるんですよね。
それを見た時に「私もこういう風になりたい」と思いました。「こういう方がコワーキングスペースをやるんだ。素晴らしい。これはハードではなくソフト事業だ」ということを感じて、更にやりたくなりました。地元の本庄にこうした所があれば通ったのですが、無かったので自分で作るしかなかった。これが理想かなというところをチョイスしながら組み立てていきました。

パソコンスクールとの親和性

コワーキングスペースは、ビジネスモデルとしてパソコンスクールの運営と近いところがあります。パソコンスクール自体も会員制ビジネスなので、生徒の募集をかけて集客し、ライフタイムバリューが長い方が安定するというビジネスモデルなんですね。

ただ、パソコン教室の場合は、皆さん入った瞬間に辞めることを考えるんですよ。勉強するために来ていますから、学んだら終わり。生涯教育として入って長続きする方もいますが、だいたいは資格取得や仕事のスキルを身に付けたいという方なので、入って半年後に辞めるという形になってしまいます。経営も常に新規顧客の募集をかけなければならないので、リピート戦略が難しかったんですね。

コワーキングスペースやシェアオフィスにおいては、環境を良くすれば入った会員の方が辞めずにいていただけると感じました。新規顧客の募集をかけることよりも、しっかり居心地の良い空間を作る方がプラスになると感じたわけです。

パソコンスクールでは、会員が200人や250人になることもありました。数が増えれば増えるほどサービスの質が落ちたり、先生の数が必要だったりということを経験した中で、ある程度の広さのコワーキングスペースでないと目指す空間作りが達成できないと分かりました。このフロアは230平米あります。前回のコワーキングスペース運営者勉強会で「今プラス」を運営している中野さんが紹介していた「中野の法則」と、星野さんの法則に基づいているつもりです。パソコン教室との親和性があること、会員制ビジネスでライフタイムバリューが高いことは、ビジネスモデルとして理想的だと思っています。

青年部活動が繋いだご縁

AREA358の広さを確保するということに関しては、非常に悩みどころでした。当初はこちらの場所でやる予定ではなく、「駅前の雑居ビルをDIYしてやろうかな」などと考えていました。先程このビルの所有者が先輩という話をしましたが、最初は運営相談から入ったんですよ。「うちのビルの1階が空いてるから何か面白いことできないか」「面白いって何ですか」「面白いこととはこういうことだ、ああいうことだ」と掘り出しながら。

そうしている間にコロナ禍に突入し、リアルで人を集めることができなくなりました。「では、オンラインサロンを作りましょう」と言ってオンラインサロンができたのですが、やはりオンラインだとリアリティがなくて密着性が高まらないなど、運営上難しい部分があると感じたんですね。「ここは私が覚悟を決めて進んで行かないと実行できないな」と思いました。誰かが責任を持ってコミットしていかないとできないと感じたので、オーナーに「僕にやらせてください」と伝えました。その際に次の文章を出したんですね。こちらは金融機関にも出しました。

“ご理解いただきたいことがあります。コワーキングスペースの利用料で考えると、大きな利益を生むというよりも、色々な役割の中でコワーキングスペースを通じて人と繋がることで、それ以上の価値を生み出せるソフト事業だと思っています。ご紹介で仕事に繋がったり、逆に仕事を繋げたり。コワーキングスペースはあくまでも手段であり、きっかけに過ぎません。その先にどういう方と繋がって事業を発展させていくか、これが私たちの事業です。”

「これがやりたいので、ハードを使わせてください」とオーナーに提案したところ、「よし分かった。やってみろ」と。元々商工会議所の青年部で色々な地域事業を一緒にやっていた先輩なので、志を共にできたところがあります。「家賃は?」「少しずつ上がっていく階段のようにしていこう」。このように「売上のごとく」と考えていただけたので、ここが成り立ちました。

このあと環境的なお話をしていきますが、非常に便が良いところなんですね。重厚感があるビルなので、「少し立派すぎるな。入りづらいな」と感じるお客様もいらっしゃるかもしれませんが、ご縁があったのでここを有効活用しようと思っています。こうした縁もあり、コロナが後押ししたということです。

イメージは「少年野球チームの監督」

このスライドの図は、私がイメージする”コワーキングのおやじ”なのですが、会員様と「横堀さんは少年野球の監督みたいなものですね」などと、お話することがあります。というのも、私は、創業者などの皆さんが活躍する姿や、ここで仕事をしている姿をビールを飲みながら斜で見ることに幸せを感じるんですね。これがやりたくてやっている。

ただ、スタートアップを目指す方やスケールしたい方がいらっしゃった時に、私は実際に上場していないのでそこまでの指導はできないわけです。少年野球で例えると、「大リーグに行きたいです」という子どもがいたら、「よし、私の知り合いの伝で行けるように、まずはプロ野球の知り合いを当てよう」というようなコネクションは作っておきたいと考えています。

さいたま市の財団や、MBAでスケールをする取り組みをしていらっしゃる熊谷のコワーキングスペース「DayOne」の原田さんなどとの繋がりを作っています。もし、スケールしたいという方がいらっしゃったら階段を上げてあげる、こうしたことがやりたい。私は少年野球チームの監督をやりたいと思いながらこの場を作っています。

施設紹介

(作美さん)
レンガ調の4階建てビルの1階が、このコワーキングスペースになっています。広さは、先程横堀が申し上げた通り、230平米です。2、3階には別会社が入っており、4階にはビルのオーナーが所有されているギャラリーがあります。道を挟んで反対側には大きいショッピングモールがあるので、色々と助かっております。今度の週末のイベントでもコラボさせていただく予定です。

(横堀さん)
地方は車の数=動員数のようなところがあり、イベントをやるにも駐車場がないと難しい、駅から近くないと難しいなどの問題があるんですよね。色々なところと提携しながらやっております。

(作美さん)
クラウドでプロの方に発注したパース図があるのですが、まだ何もない段階で最初にこれでチラシを作ったら結構反応がありました。ロゴとパース図があればある程度集客できるという経験をさせていただきました。

(横堀さん)
一番最初はこれから始まりましたね。設計の方に「これでお願いします」とパース図を渡しました。
コワーキングエリアは約35坪です。私の趣味の分野でもあるのですが、インダストリアル家具といって工業製品に近いものを置いています。コワーキングスペース運営者の皆さんがコロナ禍でコワーキングエリアをどういう形で運営されているかを見に行った時に、一人机を置いているところが多かったんですよね。時によっては繋げることもできる。小学校の給食の時間のように机を並べてご飯を食べるというような教育を受けているためか、皆さんはこれが居心地良いようで、絶対ソファでは仕事しないです。海外の方ならするかもしれませんが。家具は一人机を中心に置いています。

(作美さん)
受付カウンターには、ビルのオーナーの所持品であるバンクシーのシルクスクリーンの版画を置いています。AREA358では、ここがインスタ映えスポットです。

(横堀さん)
私たちのミッションとして、地域の文化を向上させたいという思いもあるので、アートや音楽を取り入れて、こうしたことに触れることも心の豊かさに繋がるということを表現しています。私もそんなに絵画に興味があるわけではないのですが、このバンクシーの絵にどういう意味があるのかを調べて、来ていただいた方に説明ができるようになりました。

(作美さん)
個室エリアは時間利用でも貸し出しています。1日集中して仕事したいという方、ZOOMや電話を利用される方にも使っていただいております。2坪の部屋が5つです。他には電子錠で区切られた固定ブースもあります。
会議室エリアはパソコンスクールを行うこともイメージして、コワーキングエリアとは違う雰囲気にしています。YouTuberの方に「ここでコワーキングスペースをバックにしてYouTubeやってみたら良いと思いますよ」と推してみたら、とても気に入っていただきました。

(横堀さん)
私たちの会社は教室運営の歴史が長いので、奥は全面をホワイトボードにしたり、多目的に使えるように机は折りたたみにしたりなど、色々と工夫をして作り上げました。
ビルの最上階、4階はギャラリーになっています。オーナーが絵を楽しみながら仕事ができるギャラリーコワーキングを作りたいということで、コワーキングやシェアオフィスとしても貸し出しています。恐れ多くて借りられないという方も多いのですが、高級感のあるプレミアムなコワーキングスペースをオーナーが別の会社で運営しています。受付業務は私たちが委託を受けて行っています。
先程違う場所に一軒家を借りているというお話をしましたが、15坪程の2階建ての空き家があります。飲食店の営業許可を取った矢先にコロナに突入したので、そのままになっています。商工会議所の会議にも使っていただいています。こじんまりとしたカフェのようなものをもっているので、今後こちらと連動して展開を図っていく予定です。

オプションサービスについて

(作美さん)
弊社にはパソコンスクールの講師が多数おりますので、パソコンが得意ということを活かして秘書代行サービスも行っております。こちらでも結構お問い合わせをいただいています。

(横堀さん)
これがうちの売りでもありますよね。面白い事例もあります。私が外で営業し、Webサイト作成を会員のWebディレクターの方にお願いしたのですが、それを同じく会員のコンテンツマーケターの方と分業することになったんですね。そのコンテンツマーケターはフリーランスの方で、「忙しくなったので会計やってもらえませんか」と言って、私たちに会計業務の依頼をいただきました。ぐるっと回って、この中で経済効果が出ているという事例です。
弊社には専属カメラマンもおります。ここはLANも引けてネットが早いこともあり、イベントをする時にライブ配信を行っています。元結婚式場のカメラマンで色々な機材を持っており、そのリソースを活用しようということで、個室を使って撮影や編集をしています。外部からも少しずつ仕事をいただいていますし、出張もできますので、皆さん何かあればぜひよろしくお願いいたします。
また、外部人材活用の「Skill Shift」という私たちも応援しているサービスですが、今弊社も掲載されていますので、ぜひご覧になってみてください。面白い方がたくさん応募してくれるので本当におすすめです。

AREA358で開催するセミナー・イベント

(横堀さん)
先日はDXのセミナーを行いました。この時の登壇者は「アダコテック」という外観検査のAI技術をもっている製造業の会社の方でしたが、他にもベンチャー企業のトップの方なども来られます。「横堀さんはなぜこういった方達と繋がっているのですか」とよく質問されますが、これは副業人材活用の縁です。そのため、DX関係のセミナーのゲストには困らないですね。
直近では、ジャズのライブも開催します。ここは、音を出せるということも売りです。土日は上に誰もいないですし、重厚感のあるビルなので音を出しても苦情にならないですし、その面は恵まれています。元々私が音楽を少しかじっていたこともあり、これもやりたかった夢の一つでした。アーティストの方々がそれぞれファンを抱えているので、イベント情報を公開するとすぐにSOLDOUTになります。集客力がすごいです。このように、このコワーキングスペースを知っていただく仕掛けをしています。
ママと子どもたちが集まるようなイベントも行います。クラフトは地方ではとても集客力があるため、目の前の大きな雑貨屋さんと提携し、そこの駐車場と、こちらの屋内会場でワークショップなどのイベントをします。

(作美さん)
このイベントで提携している団体様はたくさんのファンがいて、Instagramのフォロワー数もすごいです。皆さんがメンションしてくださって、弊社のアカウントへのアクセスも非常に増えまして、CMをしていただいているような有難い感じです。

運営の現状

システムに関しては、地方なので無人化を進めていません。有人化を行った上でどうシステム化していくか、今スキームを考えているところです。必要なところは当然システム化していますが、今はコミュニケーションマネージャーが一人ひとりの状況を見ながら進めています。これがコミュニケーションの由縁であり、人との繋がりを軸に受け付けをしているということになります。

広報活動はSNSをはじめ、本庄商工会議所の会報に載せていただいたり、行政にも本庄市テレワーク拠点としてご紹介いただいたりしています。今後は創業スクールとの連携も図っていく予定です。

収益計画

収益計画については、皆さんがとても気になる点だと思います。今、私たちがどういった収益で運営しているかというと、コワーキングスペースとシェアオフィスの収益は全体の約10%です。収益のほとんどがスクールの事業とDX支援、それに関連する事業です。イベント収益も含まれます。約6割はスクール事業が占めている。流動売上も含めて、だいたいこういった構成です。

私たちはストック化をしていくことを考えているので、理想の図があります。フェーズ1〜3に分けているのですが、固定費がコワーキング事業で賄えるという形を取れたら、ここを分社化したり場所を変えたりと、次のフェーズに行けるのかなと思っています。ストックビジネスを上手く活用し、教室と連動していくような仕組み作りを行っています。

今後の展望

これからメインにやっていきたいことをお話します。

事業提携(事業の掛け算)

人や会社、団体との繋がりを作りたいので、事業連携・事業提携をスピード感をもってブーストしていきたいと思っています。仕事は人と人が繋がって何かを生み出す、新規事業を創出するということが肝だと思っていますので、そうした場づくりは鉄板で進めていきたい事業です。

新しいOFFICEの提案(家具・絵画・サブスク)

あとは新しいオフィスの提案。こだわりが強い家具は趣味的な分野でもありますが、生涯にわたって色々な形で使えるオーダーメイドの家具など、事務所のスタイルを変えていきたいと思っています。従来のスチール机も長持ちするので良いと思いますが、私たちは新しい働き方に基づく仕組み作りと、物理的なものを提案していきたいと思っています。生産性向上のためのオフィスです。

創業支援・スタートアップ支援・ビジコン・ライブスペースの拡充

創業支援やスタートアップ支援は先程お話した通りです。それに基づいてビジコンも行っていきたいです。ライブの集客が図れれば、ライブスペースも充実させようと思っています。

農家のリブランディング

今、具現化している面白い試みがあります。Instagramのフォロワー数が多く、ブランディングができている「みのりファーム」という農家さんがいます。本庄出身でさいたま市に住んでいる方です。平日は親御さんが作業されているのですが、ご高齢ということもあり、体に負担がかからないように土日に手伝いに来ていらっしゃいます。彼は元々エンジニアで、プログラミングをして水やり装置を作り、遠隔で水やりをしているんですよ。

私たちは以前、プログラミングスクールをやっていたので、その関係で彼と知り合いました。今でもお付き合いがあり「今、畑はやっていないのですか?」「今は自家消費する程度です」と話していて、ファンが多いのにもったいないと思いました。

「みのりファームをリブランディングしましょう」ということで、先程お話した空き家でテクノロジーを駆使した無人販売を始めようと思っています。今はウェブカメラなどが安価で手に入りますし、課金方法は実験しながら行っていこうと思っています。

農産物の無人販売は文化的にこの辺りでも定着しているため、その形を少し変えて新規事業としてできないかなと考えています。もう野菜はできており、6月から始めようと計画しています。まだ具現化はできていませんが、私はワインも好きなので、野菜とワインのバーもできれば良いなという方向で考えています。

連携企業・団体紹介

(横堀さん)
現在埼玉県の北部を中心に、埼玉北部連携という形で「地方の在り方っていうのはこうだよね」というような広域連携の在り方を具現化しているところです。
オフィスプラス株式会社の出浦社長は、秩父市でコワーキングの運営だけでなく建設会社もされていて、実はこちらのコワーキングも出浦社長の会社にご協力いただきました。

■オフィスプラス株式会社

(出浦さん)
本庄よりもさらに山の中の秩父市というところで、「働空間(はたらくうかん)」というコワーキングスペースなど、計5ヶ所を運営している出浦です。私は6年前に「和空間多豆(わくうかんたず)」というコワーキングスペースを始めまして、縁があって本庄に辿り着きました。熊谷・秩父・本庄で良い連携ができればいいなと思っております。皆さんご興味ありましたら、ぜひ埼玉県の北部に来てみてはいかがでしょうか。

■本庄商工会議所

(佐藤さん)
本庄商工会議所の佐藤と申します。私は青年部や青年部OB会の事務局をしていたり、偶然にもこの建物の目の前が自宅で、以前洗濯物を干しているところを見られたりと、横堀さんとは不思議な縁があります。先程の横堀さんの熱い思いを聞いて、今後も伴走型の支援と言いますか、一緒に歩んでいけたらいいなと思っております。
先程もお話が出ましたが、本庄商工会議所のパソコン教室を委託させていただいております。コロナ禍で収益が落ちるなど色々ありますが、今後どういった方向性でやっていけると良いか話していきたいですし、会議所としてどのような支援・集客で携われるかなと日々模索しています。今後もお付き合いしていけたらと思いますので、よろしくお願いします。

■本庄市役所商工観光課

(出牛さん)
本庄市役所商工観光課の出牛と申します。出浦さんのコワーキングには、2年半程前に視察で行かせていただきました。横堀さんのところも、行政が作るのではなくて補助という形で、コロナの交付金や多様な働き方環境整備補助金などの活用のお手伝いをさせていただきました。その後、他のコワーキングも開いていますが、まだ新しい働き方が浸透していない部分もあるので、行政としても引き続き一緒にそこを変えていければと思っています。

本庄駅北口周辺整備計画はまだ基本計画ができたばかりなのですが、本庄市として古い街並みが残っている本庄駅北口エリアをどういった形に整備していくかを考えるタイミングにきています。そちらでも連携したいと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。

(横堀さん)
商工会議所と行政の若い2人にも支援していただいています。やはり、単独運営というのは難しいと思います。人口が少ない中でもコアターゲットを決めながら、共にやっていければと思っております。

目指すは「喫茶店のマスター」

最後に私の将来についてなのですが、喫茶店のマスターを目指そうと思っております。コーヒー好きということもありますが、「横堀さん、創業して上手くいったよ」という皆さんの話をコーヒーを飲みながら聞けるという場所ができればいいなと思っています。

最初にお伝えした通り、実績的には乏しい状態ですが、着実にその道に進めるように皆さんのお力添えをいただきながらこの業界を盛り上げていきたいと思っています。ご協力、ご支援の程よろしくお願いいたします。以上で紹介を終わります。ありがとうございました。


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「今プラス 布団屋の元倉庫店」を運営するジャパニーズ株式会社 中野龍馬さん・下原涼介さん、守山市役所の杉本悠太さんにお話いただきました(第85回コワーキングスペース運営者勉強会®) https://coworking-japan.org/20220324-imapurasu/ Thu, 29 Sep 2022 15:15:28 +0000 https://coworking-japan.org/?p=7741 滋賀県守山市で「今プラス 布団屋の元倉庫店」を運営するジャパニーズ株式会社 中野龍馬さん・下原涼介さん、守山市役所の杉本悠太さんにお話いただきました。

日時:2022年3月24日(木曜日)19時~20時
場所:今プラス 布団屋の元倉庫店(オンライン配信も同時開催)

今プラスの中野と申します。今回は主に関東を中心に開催しているコワーキングスペース運営者勉強会のスピンオフという形で地方開催ということでお声掛けいただきました。どうぞよろしくお願いします。

本日はコワーキングスペースの作り方や集客の方法についてお話していきたいと思います。

小さい一軒家から始まった今プラス

今プラスは、本日の会場である守山市の「布団屋の元倉庫店」という店舗のほかに湖南市という人口5万人の地域にも店舗があります。今プラス自体は2014年頃に湖南市の店舗から始まったのですが、その時は古民家で、本当に小さい一軒家から始まりました。それがおよそ3年間続き、その頃は利用者さんは週に1~2人来るかどうかくらいだったのですが、これをビジネスとして成り立たせたいなと思い、2017年に草津線の甲西駅前に移転しました。

人口5万人・乗降客数4,000人程の地域のコワーキングスペースは全国にたくさんあるのですが、ほぼビジネスとして成り立っていないところが多いです。僕はビジネスとして成り立つスペースを作りたいと思い、2017年に1店舗目を作りました。

有難いことに1店舗目で事業としてやっていけるという成績を残せたので、2021年には2店舗目になる「布団屋の元倉庫店」を作りました。元々布団屋の倉庫だったので畳などがたくさん残っていましたし、今は想像できないくらい埃っぽい部屋だったのですが、それをコワーキングスペースとして新しく生まれ変わらせて2店舗目にしました。

1店舗目は、最初は来店者数0人のスペースでしたが、2017年に移転してからは1日10人に使われるようになりました。現状では、両スペース合わせて常時50人くらいに使われるようになっています。
こうしたスペースになりましたが、コワーキングスペースが人口10万人以下の町でビジネスとして成り立つのが全国的にとても珍しいパターンなのか、「どうやったら成り立つんですか」ということをよく聞かれます。

僕らが今回お話するのは、「こうやったら成り立ちますよ」という部分と「こうやって成り立たせてます」という部分。それに加えて「コミュニティをどうやって作るか」という、よく聞かれる部分もお話いたします。また、他のコワーキングスペースではなかなか話されないような自治体連携も地方のスペースではとても重要になるので、そちらを市の担当者の方に話していただこうと思います。

今プラスのコミュニティの作り方

集客の話をお伝えする前に、先に聞いていただきたい重要な事があるのですが、コワーキングスペースを事業として作るのは、僕はそんなに難しくないと思います。

人がたくさん来るようなスペースを作るのはそんなに難しくないけれども、人が来れば来るほど自習室になってしまうし、すごく静かな場所になってしまうので、コミュニティを作るのが結構大変だと思っています。

最近、僕は湖南にも守山にもほとんどいないので、僕が話すと説得力がないです。こちらの守山には下原という店長が、湖南にはマツザキという店長がいるのですが、今回は下原にコミュニティの作り方を話してもらいたいと思います。

今プラス布団屋の元倉庫店店長の下原涼介と申します。よろしくお願いします。
今日は、約1年程ここを運営させていただいて感じた事や、コミュニティの作り方をお伝えできればと思っています。

ここをオープンするにあたって、どういうスペースにしたいかをすごく考えました。私は、ここで出会った人達とすれ違ったり話したりできる、距離感の近いスペースにしたいなと思いました。あと「ここに来るとすごく落ち着くな」とか、そういった安心できるスペースにしたいと思い、一番最初は頑張りました。

今日しか会えないという気持ちで

コワーキングスペース内で特に意識したことは、そんなに難しくはないのですが、どのお客様にも「今日しか会えない」という気持ちで積極的に話しかける、隙があれば少しでもいいから話すという事を心がけていました。

話しかけるタイミングもすごく重要だと思っていて、基本的に2階で集中して作業されていて、1階に降りてきた時に、ふとした瞬間に顔が疲れていないかなどを逐一確認して、話せそうだったらさっと話す。そうした感じで意識していましたし、何より「このスペースを自分が一番楽しんで全部使おう」といった気持ちで運営していました。

それをやればやるほど利用者様同士も近くなって、最終的には僕を介さなくても利用者様同士が話してくれる、すごく活性化されたスペースが生まれていると思っております。

コワーキングスペース以外にもコミュニティを広げる

このスペースだけではどうしても狭くなってしまうので、SNSなどで発信できる事、ここにプラスになる事は少しずつでも発信したり、地域で知り合いが経営しているマルシェなどの面白いイベントに積極的に参加したりして、色々な方と繋がりを持ちました。

また、自分でもイベントを開催していて、竜王町のアウトレットでスマッシュブラザーズというゲーム大会を開催するなど、自分で別のコミュニティを作る事を意識して、幅広く動こうと思いながら行動しておりました。

そうすると、そこで知り合った方々が自然とスペースに来てくださったり「今プラス知ってる」と言ってくださったりするので、これはすごく良い事だと実感しております。

コワーキングスペース運営をする上でやめた方が良い事

でも、これだけはやめた方が良いと思う事があります。一度「子どもと一緒に仕事をしたい」という事を中野さんにお伝えしましたが、「このスペースでは厳しく、どうしてもぐちゃっとなってしまう」と優しく諭してもらいました。「ここではできないけれど、別の事業としてまたやろうよ」と言ってもらいました。スペースを壊さない事、雰囲気を壊さない事が大事です。

また、日々利用者の方々には「何か使いにくいところはないですか」と聞くのですが、意見が強い方に「これが良くなかった」と言われるので、意見を聞き過ぎず、フラットに運営できるように心がけております。

あと、これは当たり前かもしれませんが、コミュニティ内の情報は絶対外には売らないというのが大事だと思っております。

運営しやすくするための人材の発掘

スペースの運営は利用者様の機微などをよく見ていないといけませんし、自分の仕事との兼ね合いもあるので、とても難しいと感じています。

コワーキングスペースと似た業種はあるかと考えた時に、飲食店のホールやアパレルショップの店員などはワンフロアでお客様の情報を確認しながら臨機応変に対応できますし、自分のファンになってもらえる術を学ばれている方が多いです。そうした方を面接する時に発掘できると、運営はやりやすくなるのではないかと感じています。

日々の業務とコミュニティ作りの両方をこなしていくのは大変で、なかなかできない時もありますが、それをこなしていくことに価値があると思うので、楽しみながら成長できるといいなと思っています。僕もできることがあれば協力するので、仰ってください。ご清聴ありがとうございました。

地方でコワーキングスペースを作る際の3つの条件

今、下原からコミュニティの作り方についてお話させていただきました。コワーキングスペースに相談しに来られる方の中には、スペースを作ったら勝手に人が来る、勝手に人が来てコミュニティが生まれると誤解している方がとても多いです。

コワーキングスペースを地方で運営する場合には、「そもそもこの条件をクリアしていないと人は来ないですよ」ということを、これから作りたいと思っている方にお伝えできたらと思います。

コワーキングスペースには別に人も来なくていいし、採算も取れなくていいよという場合は、今からお話する事は無視してもらって大丈夫です。自分が作りたいスペースを作ってもらった方がいいです。

地方でコワーキングスペースを運営する場合には、「中野の法則」というものがあります。これは何かというと、10分・100平米・1ではない。この3つの条件が当てはまっていないと、地方でコワーキングスペースは事業としてもできないし、コミュニティの場所としても多分成り立ちません。

条件1:10分

まず10分はどういう意味かと言いますと、必ず駅から徒歩10分以内。田舎であっても10分以内。もう1個のテナントがある甲西駅では、駅からの乗降客数が4,000人くらいです。1日2,000人くらいにしか使われていませんが、それでも必ず10分以内じゃないとダメです。

10分以内にすることで、まずそこに通っている学生や大人がそのスペースを使いに来てくれます。駅から10分以上の場所ですと、そもそも使いに来てくれない可能性が出てきます。

条件2:100平米

2つ目が100平米以上。小さなスペースを作ろうとする方がすごく多いのでお伝えするのですが、小さなスペースでコワーキングスペースというのも全然問題ないと思います。ただ、ビジネスで使用したり、コミュニティの場所にしたりする場合、100平米以上はないと、コワーキングスペースとして仕事がはかどる、集中できる場所として作ることができないため、まずそこに人が来ません。

今日はイベントがあるから来ましたとか、その人と喋りたいから行きますというのはありますが、日常的にそこに人が滞留することはないので、コワーキングスペースとして色々な方々が集まって交流することはありません。100平米以上必ず作ります。

100平米以上あると、今回みたいに1階は話せるスペース、2階は話さずに集中するスペースという機能分けもできます。今からもしスペースを作る方は、この大きさ以上を作る、この大きさ以上のテナントを探すというのは絶対に覚えておいた方がいいです。

条件3:1ではない

最後に、1ではないというのは、下原の発言にもあったように、運営スタッフの数が1ではない。僕は3年間古民家で1人でコワーキングスペースを運営していたことがありますが、男性1人で運営していると女性の方はすごくその場所に行きにくいですし、その方だけで毎回同じなので、交流したいとも思わなくなるんですね。

今、うちは湖南に5人、守山に4人スタッフがいます。それぞれスタッフのカラーが違うので、今日はこの人と喋りたいとか、今日はあの人がいるんだったら行こうかなというのが、かける4倍や、かける5倍になっていきます。これが男性の1だと女性はすごく行きづらくなったり、年齢層が低い1だと、どうしても年齢層が高い人は行きづらくなったりします。

スタッフたちが本当に良いコミュニティを作るので、これからコワーキングスペースを作って、事業としてもコミュニティとしても回していきたいという方は、この10分と100平米と1ではないというのを最初の前提条件として覚えておいてください。

東京や大阪の場合は、このルールに則らなくて良いと思います。人口がものすごく多いので。しかし、うちみたいに守山は人口10万人以下、湖南は人口5万人以下、他でも人口20万人以下の場合はこのルールに必ず則っておかないと、次のスライドのグラフがうまくいきません。

3年以内に潰れるケースにならないために

コワーキングスペースを作りたいと相談にいらっしゃる方は、2パターンに分かれます。ビジネスとして運営していきたい場合と、空いているスペースがあるから運営したい場合。空いているスペースがあるから運営したい場合は、好きなようにしたらいいと思いますと言っていますが、ビジネスとして運営していきたい場合は、まず基本的にこの左側の儲かったケースというのをちゃんと覚えておかなければいけません。

コワーキングスペースを作って儲かりたい、今の空いているスペースを使って売上を作りたいといった時に、さっきの3つのルールに則ってなかったり、損したケースを自ら進んで行ったりする方は、結果として2年程で潰れます。

スペースの人件費やテナント代、光熱費は、今プラスでいうと守山で月60万円くらい。湖南も同じくらいの金額がかかっていますが、その金額をクリアするような売上をビジネスとして上げていかないと、コワーキングスペースの存続が厳しくなり、3年以内に潰れるというケースになります。

今、地方ではたくさんコワーキングスペースができています。補助金も出るし、空いているスペースもある。実は、コワーキングスペース協会の星野さんが、埼玉県さいたま市にコワーキングスペースを作る際に日本全国をインタビューして周ったんです。YouTube番組で色々な代表の方に取材されました。2012年に35スペース程周ったそうですが、その内残っているのが5スペースもないくらいです。

僕が昨日見た感じだと、今滋賀県に45スペースあるんですよね。県内では、月に1スペースずつくらいできています。コワーキングスペースを作りたい、事業として成り立たせたいと相談にいらっしゃいますが、僕は「前提条件としてまずここをクリアしてないと、アドバイスできることはないです」と言ってます。

アドバイスできることがあるとしたら、このあと5分後くらいにお話する集客方法であれば成り立つかもしれないですとお伝えするのですが。まず先ほどの条件に則って、ビジネスとしてちゃんと存続させることを目指した方が良いです。

ちなみに、このコワーキングスペースを作った話や借入した話、運営にいくらかかったかなどのお金の話はAmazonの電子書籍で出版しているので、細かい事はそちらを見ていただければと思います。

コワーキングスペースを作りたい、コミュニティの場所を作りたいとなった時に、そもそものはかどる場所を作らないと人は集まってくれないので、コミュニティが生まれない。コミュニティが生まれないからコワーキングスペースを運営するモチベーションもなくなってしまい、そもそも人がいないので採算が合わずに潰れてしまいます。

はかどる場所ができて、採算が取れるようになって、そしてそこに良いスタッフたちがいてくれて、スタッフとコワーキングスペースにいる方々のコラボレーションが生まれると、色々な企画も生まれていきます。

守山市はあるテーマを打ち出しているので、僕らはここでやろうと決めたのですが、その話は市の担当の方に後ほどお話ししていただこうと思います。

コワーキングスペースの集客に向いているのは、Webによる集客

皆さんが気になるのは、コワーキングスペースの集客はどのようにするのかという事だと思いますが、僕らの集客方法はWebだけです。口コミや折り込みなどの方法もあると思いますが、僕らはWebだけ。WebサイトとSNS、Web広告、SNS広告、これだけです。

先月、新型コロナウイルスの感染者数が滋賀県で200人を超えたので、僕らは自主的に1ヶ月間コワーキングスペースの新規会員も利用者もストップしました。今月から再開して、今新規の会員数が月に11人くらいです。大体3日に1人くらいが新規会員になっていただいていますが、その方たちにアンケートをとると、11人中10人がWebで口コミが1人だけなのです。

新たに力を入れたランディングページ

今月から力を入れた施策が効いているなと思いました。今日はその話をしたいと思います。今まではWebサイトとSNSでの情報発信だけだったのですが、僕らが今月から思いっきり頑張ったのはランディングページの作成です。

ランディングページといっても皆さんはイメージしにくいかもしれないですが、1ページで全ての情報を網羅でき、最後のページ終わりのところに申し込みフォームがあります。

色々なページを回遊しなくても、1つのページを見ればそのスペースの良さがよく分かるようになってます。このランディングページは、今プラスのホームページに飛んでいただいて、そこにあなたは自習したいですかというのがあり、自習ボタンを押すとこのランディングページが出てきます。僕らは自習に必要なランディングページも作り、シェアオフィス用やリモートワーク用のホームページもそれぞれ作りました。

なぜそれぞれ作ったかというと、うちには会員がおよそ90人いるのですが、約4割が学生で自習で使いたい方、約3割がフリーランスの方です。そして残りの3割程がリモートワークで使いたい方々です。

リモートワークで使いたいからホームページを見てくれた方に自習の情報を届けると、ミスマッチングなので離脱してしまいます。だから僕らは1個ずつ自習用・フリーランス用・リモートワーク用のランディングページを作り、それぞれに対してSNS広告を出すことで、だいたい1ヶ月に10~15人ほどの新規会員が獲得できていると思います。広告費用がどれくらいかかったかなど、もし気になることがあったら、後ほど聞いてもらえたらと思います。

しつこく言いますが、地方で運営する条件としては駅から10分以内に作る事と、100平米以上ある事、そして1ではないというこのルールに則ったうえで集客したいですと言ってもらえたら、おそらく僕はすごく最適なアドバイスができます。

でもこの前提条件が難しいと、先ほどの集客方法ぐらいしかアドバイスできないです。3つがしっかり整うと、コワーキングスペースビジネスとしても成り立つし、コミュニティとしても成り立ってきます。

僕らが今回この守山市で作ったのには、もう1つ大きな理由があります。もともと1年前に湖南に店舗があって、新しい店舗をどこに作ろうかなと思ったんです。八津市でも良いし、大津市でもいいし、草津市でもいい。僕らは湖南の店舗を3年間やってきた中で、行政の方々と面白いことをやりたいなと思ったんですね。

そうしたら、今回この物件を見つけてきてくれたのはテナント情報や地域の不動産屋ではなく、ある方でした。そのある方と繋げてくれたのは市の担当者さんです。今からはその担当者の杉山さんに、今守山市がどういうことをテーマにしてやろうとしているのか、そこに対してコワーキングスペースとして自治体連携して、どういった感じでやろうとしているのかをお話していただければと思います。

1000人の起業家が集まる町を目指す、守山市との連携

中野さん
守山市役所の中には水道を扱う課や税金を扱う課など、色々な課がありますが、杉本さんがいる課は地域振興課という地方創生をする課です。守山市の地域振興課では、今どういったことをされていますか?

杉本さん
今、地域振興課で行っている事は主に大きく4つです。1つ目は琵琶湖の観光振興。2つ目が企業誘致。その名の通り企業を誘致する。これはどこの行政もやってます。3つ目が企業創業の支援です。最後の4つ目が、その他の地方創生を全部行っています。

中野さん
そのうちの3つ目ですね。今、守山市は、今月発行された広報誌の表紙にしているぐらい起業家を集めようとしてます。これは、誰が言い出したんでしたっけ?

杉本さん
市長ですね。市長は起業家の集まる町とは言っていないのですが、3年前に「起業の町を作りたい」と言っていました。イメージとしては起業家の集まるような町が作りたいというニュアンスで。僕は市長直属係長なので、その時に市長と話した結果、起業家が生まれる町はよく分からないので、起業家の集まる町がいいんじゃないですかというようなことを、2人で話した思い出があります。

2店舗目を守山市に作った理由

中野さん
先ほどの話に戻ると、僕が1年前にコワーキングスペースをどこの場所にしようかな、行政と面白いことがしたいなと考えていた時に、守山市が起業で町おこしをしていると知りました。

杉本さんは守山市職員の方なのですが、湖南市民の僕と家がすごく近くなんです。同じ地区のお祭りに行ったら絶対出会う人のような感じです。子どもも同じ小学校に通っています。

杉本さんが守山市の職員ということは知っていたので、「2個目のコワーキングスペースを作りたいと思ってるんですが、良い場所はないですか」と言ったら、「OK!ちょっと待ってて」と言って、3日後に「龍馬くん、これとこれとこれあるけど、どうする?」みたいな感じで、ポンポンポンと送ってきてくれたんですよ。その送ってくれた内容が、不動産屋さんのホームページなどには全く載ってないような市のテナントだったんですね。これはどうやって探したんですか。

杉本さん
その時は、すぐに市長に言いに行きました。「僕の地元の友達が守山にコワーキングスペースを作りたいって言ってくれてるんだけど、何か情報はありませんか」というような事を言いました。なぜ市長に言ったのかはあとで話した方がいいと思いますけど、言った方が早いなと思い言ったら、「杉本くん、ここは自治会の〇〇さんが困ってて、こっちは〇〇さんがオーナーがだから」という情報を市長が持っていたので、「どう?」とそのまま写真と地図を自分で色を塗って送ったのが3日後です。

中野さん
3日後ですね。そんな市役所は滋賀県内で他にないと思います。物件情報が欲しいですとお願いすると、市長がコワーキングスペースという言葉の意味を理解していて、情報提供もしてくれるような場所は他にないと思いました。だから僕らは「守山に作りたいです」と言って、こちらを作ることになりました。

守山市以外の人へPRするプロジェクト「up stream」

今、守山は起業家の集まる町としてやっていますが、この1年間、今プラスはそれにどれだけ貢献できたかと言われると、多分まだ全然してないんですね。商工会議所に来た方が、起業したいです、住所使いたいですという時にここを使っていただいたことはありましたけれど、僕らはやっぱり自治体と一緒に連携していく中で何か面白いことをしたいと思いました。その時に守山市のホームページを見たら、起業家の集まる町のPR業務ができる方はいませんかといった、プロポーザルが出てたんですよ。だから僕らは提案させていただきました。その内容はこちらです。

今月末頃に公開するのですが、滋賀県の起業家で、スタートアップや、地域のスモールビジネスではない方々のメディアサイトと、オンラインコミュニティをSlackを使って行う、up streamというプロジェクトを僕らは提案させていただいて、そちらが無事に通りました。

up stream

もちろん、うち以外にも提案していただいたところもありましたが、他のところは市の業務なので、守山市の起業家をフィーチャーするサイトを作りましょうだとか、守山市のPRをしましょうと提案していたと思います。

僕らはそうではなくて、守山市が起業家の集まる町を目指すのであれば、守山市の人にこれ以上知ってもらっても全く意味がないので、滋賀県や滋賀県外の方に知ってもらうようなものを作らないとダメですよという、少し強めの表現の提案を市役所にしました。

真意的には間違いないと思ったのですが、この前市長にインタビューさせていただいたんですね。その時に出てきたキャッチコピーが、守山を拠点に1,000人の起業家が集まる町を作るで、とても熱意を持ってお話ししていただいたんです。これを聞いた時に、コワーキングスペースと自治体行政が一緒に連携できるとすごく良い、素敵な例が作れるなと思いました。

行政がコワーキングスペースに期待している事

中野さん
これはしっかり杉本さんに聞いたことはないんですが、平日の日中に若者がいるスペースってなかなかないじゃないですか。スーパーとかイオンモール以外に。そうした状況で、行政職員として、コワーキングスペースとうまいこと何かやりたいなとなった時に、必要な要素はありますか。行政が求める地方創生という文脈で、こういうものがコワーキングスペースにあったらいいなという。

杉本さん
これを言語化するのはすごく難しいです。彼は「行政と一緒に何かしたらいいんじゃないか」といつも言うのですが、今のこういうものがあったらいいなの話の前に、行政のあるあると言いますか、行政でコワーキングをちゃんと理解して、さっきの説明をメモを取らずにああそうかって聞ける行政職員はあまり多くないと思います。

コワーキングスペースというものが何なのかもそうだし、何で下原店長はコミュニティを作る時にこういうことに気をつけた方が良いですよと言ってるのかということも、多分あまり分かってないです。

先ほど彼が言った言葉で言うと、行政はコワーキングができたら勝手にコミュニティができると考えがちです。次に、コワーキングができたら若い人やイケてるメンバーが勝手に集まってきて、プロジェクトをどんどん起こすというイメージがあります。でも行政は近寄りがたいから行かないでおこう、といった3つの行政のイメージがあると。僕はそうではなくて、市長ともよく話していますし、多分市長はそれを聞いたから先ほどの話をしたのだとと思います。

彼が色々な方に聞かれるように、僕も最近よく聞かれるんですが、行政で町にコワーキングあった方が良いと思いますかと聞かれるんですね。なぜ僕に聞くのかなと思うのですが、多分彼がいろんなところで守山が良いよと言うからだと思います。

全国の自治体から電話がかかってきて、「杉本さん、行政が整備した方が良いですか」「民間が整備した方が良いですか」「コワーキングあった方が良いですか」と聞かれます。それはあった方が良いに決まってますし、ないと困るというくらいに僕は思っています。行政が整備する必要が、そもそもあるのかなとすら思ってます。それは彼が言った通り、1人ではできないし、コミュニケーターがちゃんといないとできないところがあるからです。

本題にいきますが、行政としてコワーキングに期待している事は何かというと、ここは少し難しくて、僕は何を期待して良いかが分からない状態で2年間が経過しているという状態なんです。これが答えなんですね。

何を期待して良いかが分からないからどうしようかと思っていたけれど、彼が先ほどのup streamという提案をくれましたとか、個人情報は売らないけれど、今地域でこういう話があるのですが、どう思いますか?といったことを、コワーキングに来て彼や店長と話したり、スペースにいる方と話したりして、地域の声を拾うようにしたんです。

結局何を期待して良いかが分からないし、期待はしてないけど、僕は結構これがためになったんだな、結果として僕はこれを期待してここに来ていたんだなと思うのは、地域の声を拾えるというのがあって。ここに来た方が行政として課題解決がしやすいというのがひとつ。

なぜ僕が先ほどのup streamの政策をしようと思ったのかは、市内に4つの民営コワーキングがあって、定期的にそこに行っている時に、市内で活躍する人の事を市内でセミナーするよりも、他の所の情報を取ってきて出すとか、他に対して守山がすごいよと言う事が大事だと分かったからです。行政が期待してるというよりは、行政としてそこに入っていくことでリアルな声を拾っています。

あと彼の評価を聞きたいんですが、僕が2年間やってきた政策はリアルな起業家を支える政策になっているのか、70点くらい取れてたら良いのかなというところです。あと30点は期待が足りてないのかなというのがあります。答えとしては、声が聞ける事を行政として期待しているだけで、それ以外はあまり何を期待して良いかが分からないし、何を頼んで良いかも分からないという状態かなと。

中野さん
自治体の方はやっぱり声が聞きたい、その地域にいる若者やイケてる人の話が聞きたいとなるんですけど、それをやるためにはまず集客しないとダメですよね。そして集客するためには、前提条件を作らないとダメだよねというのを、今日のお話の中で皆さんに知ってもらえたらそれで良いかなと思ってます。

今日来られている方の4分の1はコワーキングスペースを運営されていると思うんですけど、4分の3はまだ作られていない方々ですよね。もし今からスペース作りたいとなったら、先ほどの前提条件はしっかり守っていただきたいです。尚且つ集客もできて、そのうえで自治体連携という意味では、僕らは杉本さんというとても面白いクレイジーな職員さんがいたからうまいこといったけれど、湖南市ではまだそういうのはできていないですね。湖南市はどちらかというと自分たちで町おこしをしてます。

行政職員でクレイジーな人がいたらいいなと思っていて、1人いらっしゃるんですが、担当課が違うとなかなか難しい部分があるので、そこはちょっと時期を待ちつつ。杉本さんがいたから僕らはここに来れたし、尚且つ今も面白い事ができてるし、これからも守山市と自治体連携して面白いことができるようになると思います。いくつか質問いただいていますので、僕からのスライドはこれで以上にします。

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「SoloTime 新宿」を運営する東京電力ホールディングス株式会社のビジネスソリューション・カンパニー ソリューション推進室の佐藤和之さん、諸川まりさんにお話いただきました(第84回コワーキングスペース運営者勉強会®) https://coworking-japan.org/20220217-solotime/ Mon, 26 Sep 2022 02:00:00 +0000 https://coworking-japan.org/?p=7153 法人向けの郊外型テレワークオフィス「SoloTime 新宿」を運営する東京電力ホールディングス株式会社のビジネスソリューション・カンパニー ソリューション推進室の佐藤和之さん、諸川まりさんにお話いただきました。

日時:2022年2月17日(木曜日)19時~21時
場所:SoloTime 新宿(オンライン開催)

人事としての問題意識を生かし立ち上げた「SoloTime」

東京電力ホールディングスの佐藤と申します。よろしくお願いいたします。私は東京電力ホールディングスで「SoloTime」を立ち上げました。SoloTime立ち上げの経緯から今後についてご説明させていただきます。

「SoloTime」は電気とガスのインフラ企業である東京電力が提供するサービスです。
私は人事出身なのですが、社内の働き方改革の推進や自分自身が子育て中に感じた通勤ストレスを解消するための取り組みをしたいと考えており、この事業を立ち上げました。

「SoloTime」の特徴

「SoloTime」は、「無人の法人専用のテレワークオフィス」です。基本的には関東の郊外に出店しています。東京電力は関東での基盤がありますので、関東への地域貢献をしていきたいと考えてスタートしました。

具体的な特徴としては、まず首都圏郊外の駅から徒歩3分以内に展開している点です。私自身が色々なシェアオフィスを渡り歩いて仕事をしてきた経験から「駅から近くないと、あえて行かない」と感じ、駅から徒歩3分以内に出店しようということを決めました。

特徴のもう一つは、「快適なソロワークスペース」です。
ソロの仕事は、会社員では6割から7割ほどあると言われています。ソロの仕事をするときは一人でしっかりと集中できる空間が必要で、そのためのスペースを提供することを意図して作っています。
在宅勤務だとよくあるパターンとして、小さい子供がウェブ会議に入ってきてしまう、家族に話しかけられるなど、自宅だとなかなか仕事に集中できないと感じている方は少なくないのではないでしょうか。マンション生活の方などは特にそういったストレスを抱えている方が多いと思います。そのような方に使っていただけて、しかも長時間かけて都心まで行かなくてよい、家の近くにあるソロワークスペースが「SoloTime」です。

三つ目の特徴は、女性目線で作られた内装です。
写真でも分かる通り、白を基調とした個室やブースが多いです。私の部下はほとんどが女性なこともあり、彼女たちの意見を重視しました。

さらに、土日祝日も営業しているという特徴もあります。法人向けシェアオフィスというのは、どちらかと言えば働き方改革の流れもあり土日祝日や夜間は営業していないところが多かったのです。しかし私達がこの事業を始める前に1万人のアンケートを行ったり100社以上の企業にヒアリングを行ったりしたときに「土日に3時間だけの仕事をするためだけに通勤に3時間もかけるのはかわいそうだ」という声がありました。それもあり、本当の働き方改革は「いつでも働けていつでも休める」という状況の方がよいということで、土日祝日・夜間の営業をしています。

また、セキュリティへの配慮も特徴です。個室環境の音漏れには非常に気を付けていますし、Wi-Fiなど極力セキュリティが強固なものを取り入れています。そして警備は全てセコムさんに入っていただき、何か起こったらすぐに駆けつけていただく体制を整えています。

そして、お客様にご好評いただいているのはフリードリンクやお菓子をご用意している点です。
自分自身がワークスペースを使っていたとき、飲み物が用意されている施設とそうでない施設を比べると、どうしても飲み物がある施設に足が向いていました。100社以上の企業にヒアリングを行ったのですが、飲み物ぐらいサービス提供してほしいという声がありました。
お菓子についても、自分自身がワークスペースを使っていたときは、お菓子が置いてある方がテンションが上がったり、忙しくてランチができないときなどはお菓子でお腹を満たしたりということがあったため、これはサービス提供したいということになり、開始しました。

また、法人向けワークスペースは予約しないと入退館できない仕組みの施設があります。しかしお客様から「すぐに入りやすい仕組みにしてほしい、プラス、予約でいざというときに席を確保できるような仕組みにしてほしい」という声がありました。そこで「SoloTime」はQRコードでいつでも入室することができ、個室については予約が必要という形をとっています。

連携施設を含め150店舗という拠点の多さと、初期費用無料で1時間770円という料金体系

「SoloTime」には現在250社以上約10万人の会員様がいます。ホームページにもある「店舗ロケーション」の図のブルーでマークした部分が「SoloTime」の店舗で、現在27店舗あります。薄いグレーのマークは、野村不動産さんのH1Tさんと提携をしている部分で、これを含めると現在150店舗あります。
SoloTime 店舗ロケーション

我々の会員様は野村不動産さんの施設も使えますし、野村不動産さんの会員様は我々の施設も使えるようになっており、システムのAPI連携をすることで相互で使える仕組みをとっています。この点もお客様には「たくさん拠点が増えた」と評価されており、良かったと思っています。

料金体系については、入会金や初期費用はかからない仕組みです。法人の会員様が使ったときの1時間の料金は税込770円で、複合機等利用の際や会議室利用には別途料金がかかるという仕組みにしています。
その他ロッカーを用意していますが、法人企業でロッカーを契約するお客様はほとんどいません。また複合機もあまり使われておらず、基本的にはパソコンを持ってきて仕事をしている方がほとんどです。また、個室利用時は別途予約(プラス100円~500円)という形をとっており、この金額の差は基本的には個室のサイズによるものです。このような料金体系で法人企業様に契約・会員登録をいただき、その企業の会員様が施設を使えるという仕組みです。

事業立ち上げから現在までの推移

スペース内の改修

2019年3月に最初の店舗として八王子店をオープンし、それから現在まで27店舗に広がりました。
コロナ禍では休業を余儀なくされ一時営業を停止しましたが、営業再開時に大きく、また劇的に変わったことがあります。
それは、個室を使うお客様がかなり増えたという点です。これは法人企業だけではなく一般的なことかもしませんが、セキュリティ面を考慮してオープンスペースでのウェブ会議を制限している企業様もあれば、他のウェブ会議の音を気にして個室を使われる方もいらっしゃいます。テレキューブなどのボックスのような形を望まれたりするお客様も多く、ニーズに合わせて個室改修を行ってきました。例えば三鷹店では、改修前はブースなども設置したラウンジのようにしたかったのですが、この点はコロナ後のお客様のニーズに合わなくなったため、ブース席やソファー席を改修して個室にしました。

営業時間の変更

次に、営業時間の延長です。
当初は基本的に8時から21時までの営業からスタートしました。建物のルールに合わせてやってきたのですが、会員さんからもっと長くしてほしいという要望があったため、現在はできる限り長めにということで、7時から24時までオープンする仕組みにしています。実際に使われるのだろうかと思っていたのですが、一番最初に24時までのオープンにした武蔵小杉店はいまだに23時以降もご利用されるお客様がいらっしゃいます。

キャンセル待ち機能の導入

また、キャンセル待ち機能も導入しました。
「SoloTime」では1カ月前から予約などが可能で、いつでもキャンセルできるようにはしていますが、1カ月前から予約する会社が結構多いです。そのため前日や2~3日前に予約しようとしてもなかなかできず、ご意見をいただくこともありました。しかし、直前にキャンセルされるお客様も一定数いらっしゃるので、そこをなんとか使いたい方に使っていただけるようにするためキャンセル待ち機能を導入。キャンセルが入った時に通知を行う仕組みに切り替えました

サービスの拡充

さらにサービスの充実も行っております。
以前は自販機でのコーヒー提供でしたが、なるべく美味しいコーヒーにしてほしいという要望があったので、本格的なコーヒーマシンを導入したり、全店舗ではなく5、6店舗ではありますが、冷凍庫を設置してアイスや冷凍のパスタなどの冷凍食品を無料で提供したりしています。これがかなりお客様に喜ばれており、冷凍庫が空になると「空ですよ」とお客様より連絡が入ることもあります。

その他にも月に何回か、高級パフェを提供したり、無印良品さんのお菓子を1週間無料で食べられるキャンペーンを実施したりして、お客様に喜んでいただいています。次回は何をやろうとか、自分達のおすすめの食べ物を置いてみて反応を見たりとか、我々自身が楽しんでやらせていただいています。

一つ言えるのは、こういったことを行うと施設の認知が広がります。実際キャンペーンを実施すると、今まで「SoloTime」を利用したことがないという方のご利用が必ずあります。会員様の中でも利用したことがない方、他の施設を使っている方、こういったテレワークオフィスを初めて使うという方への周知にもなり、その後も利用していただけるという良い効果が得られています。

アンケートから利用者のニーズや利用状況を把握

以前「SoloTime」に関してのアンケートを行ったので、その内容をご紹介します。

一つ目の「どんな時に利用しますか」という質問には「自宅以外で業務をしたい時」という答えが多かったです。我々の出店場所は基本的には新宿と池袋以外は山手線沿線外なので、家の近くで利用されている方が多く「自宅以外で業務をしたいけど会社まで行きたくない」という方が使われていることが多いです。

二つ目の「1回あたりの滞在時間はどのくらいですか」という質問には、実は「終日」が最も多く、結構長い方ではないかと思っています。次に「5〜6時間」が21%、「3~4時間」が28%と続きます。最近のデータではないのですが、「ちょい使い」の方から「終日使い」の方まで全ての方の平均が6時間近かったので、自分達もびっくりしたということがありました。これはおそらく郊外のテレワークオフィスであることの特徴かと考えています。

三つ目の「通勤時間は変わりましたか」という質問は、当然ですが「減った」という方が多かったです。自分自身が育児をしていた時に通勤時間をなんとか減らしたかったので、私がやりたかったことが実現できたのかなと思っています。

四つ目の「業務時間内の移動時間」については「減った」と答えてくださいました。

五つ目の「どんな点が気に入っていますか」という質問には、当然一番は「自宅の近く」という答えでしたが、二番目は「仕事しやすい設備」でした。設備について満足しているという声はいまだにアンケートなどで評価をいただいています。三番目は「ドリンクやお菓子が充実している」という点で、事務局としても「お客様に何で楽しんでもらいたいか」という視点でいつも考えています。あるアンケートでいただきとても嬉しかったお声は「無人運営だけど温かみを感じました」というお声です。いただいた時は本当に嬉しく、皆で共有しました。

「SoloTime」の稼働状況については特徴的で、例えば大井町と藤沢の店舗は、昨日の時点で本日の予約席はほとんど満席状態です。朝から夕方以降までずっと埋まっているというのが今の実態です。

店舗展開地域の拡大へ

2019年3月に一店舗目の八王子店を開始し、現在27店舗ですが、今後の展開として今私達が考えていることをお話しします。
現在は法人向けで郊外型のテレワークオフィスということで、ターゲットも決まっており場所も郊外と基本的に明確にしていますが、現在の27店舗では、まだ少ないというお声をお客様からいただいています。予定としては2022年度に13店舗出店し、まずは40店舗を目指したいと思います。

法人向けとした一つの大きな理由は、先ほど申し上げました通り無人運営のため、色々なリスクを考えて法人をターゲットとして選んでいます。
しかし「個人で契約したい」というお声は常日頃からいただいているので、やはり個人向けもやっていかなければならないと思っています。そして企業様によっては「従量課金制で固定費を支払わなくてよい仕組みについては満足だけど、例えば郊外に小さな拠点を一つずつ持ちたいので部屋を2個ずつ貸してほしい」といったような声もあります。現在は実現できていませんが、そういったお声にお応えするには、サービスオフィスやレンタルオフィスのような事業も展開していく必要性があるかなと考えています。ターゲットの話では、例えば従量課金制から場所貸しへという話もあります。

また、展開地域についても「関東に制限するのか」という点があります。まずは関東へ貢献したいという思いがありましたが、今後はワーケーションのように地方に行くことでその地域に貢献するということもあるので、今後は全国展開を視野に入れていきたいです。働き方改革を実現するために、様々な働き方をサポートしていき、どこでも働けるような仕組みの実現に寄与していきたいと考えており、検討しているところです。

最近、ヤフーさんがどこでもオフィスという人事制度の拡充を発表しました。私も「ついにこういう時代がきたのか」と思いました。また、おそらく今後IT企業を中心にどこでも住んで働けるという仕組みが拡充されるのではないかと思っています。

ワーケーションの市場も非常に伸びており、2025年度は予測では急激に伸びるだろうというデータもあります。実際に単発のワーケーションでどこまでニーズがあり本当の意味での地域貢献になるかどうかというのは疑心暗鬼な部分があり、関係人口を創出するためにはリピーターを生み出すことが必要だと考えています。
我々は5~6名でこの一年半ぐらいに様々なタイプのワーケーションを自分達でやってみました。一般的に言われているのは、休暇活用型や日常埋め込み型、ブレジャーつまり出張型、またオフサイトミーティングのようなパターンなどです。私や部下、またそれぞれの家族に少し協力してもらい、金沢で今後の事業をどうしていくかということを缶詰のように合宿を行ったり、北海道の出張の際足を伸ばして知床で自然を楽しんだり、逗子に家族で行って、休日は楽しんで平日はコワーキングスペースで仕事をしたりといろいろと体験してきました。

この一年半ぐらいのワーケーション体験と様々な方に聞いた結果、地方で働く時には働くスペースがどうしても重要だということがわかりました。ですから基本的には都心と同じように働ける場所が必要で、それができる設備が個人利用でも法人利用でも必要だと思います。

また、ワーケーションや地方に単なる旅行で少しだけ行くのではなく、長期間になった時に、子供をどうするのかという点も課題の一つです。そういった意味で託児できるような場所が必要だと思いますし、それだけではなく子供に地域の良さを学ばせるアクティビティ経験も必要ですし、教育も大事です。そういったものがないと地方への拡充や地方での働きやすさは実現できないのではないかと思っています。

地域へのUターン、Iターン促進への貢献

今後取り組んでいきたいことの一つとして、副業・兼業にもフォーカスしていきたいと考えています。地方創生・ワーケーションという意味では、SoloTime会員が10万人ぐらいと増えてきたので、色々な自治体のコワーキング事業者様などと手を組みながら、地方への移住促進に少しでも寄与したいと思っています。

また、移住移住と言っても、移住先について、故郷がない人はどうやって決めるのかという問題があります。私達は、まず故郷がある人がUターンできるような環境、Uターンしたときに働きやすい環境を作るのが重要かなと思っており、その取り組みとして色々な地方自治体の方々やコワーキング関係の方々と意見交換などを進めています。

私達としては、ワーケーションという点では、バケーションメインではなくワークがしっかりできてどこでも働ける設備をつくることで地域に貢献していきたいと考えています。意見交換する中で我々ができることとして出てきたことなのですが、「SoloTime」のホームページに地域情報を掲載することで、例えば「自分の故郷に実は働けるスペースが色々ある」などの情報を会員様に発信していき、Uターンから最終的にはIターン、つまり移住の促進に貢献していきたいと考えています。

今後は法人向けに限らず、個人向けサービスも展開していく予定なので、意見交換などぜひお気軽にお問い合わせください。今後ともどうぞよろしくお願いします。


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「Kimchi, Durian, Cardamom,,,(キムチドリアンカルダモン)」のコミュニティマネージャーで株式会社CO&CO事業統括部長 伊崎陽介さん、UCCグループであるソロフレッシュコーヒーシステム株式会社 事業開発部 担当課長 柳澤裕美さんにお話いただきました(第83回コワーキングスペース運営者勉強会®) https://coworking-japan.org/20211215-kdc/ Mon, 11 Apr 2022 08:00:00 +0000 https://coworking-japan.org/?p=7103 JR新大久保駅直結でコミュニティキッチン、ファクトリーキッチンを備えたコワーキングスペース「Kimchi, Durian, Cardamom,,,キムチドリアンカルダモン)」のコミュニティマネージャーで株式会社CO&CO事業統括部長 伊崎陽介さんとUCCグループであるソロフレッシュコーヒーシステム株式会社 事業開発部 担当課長 柳澤裕美さんにお話いただきました。

日時:2021年12月15日(水曜日)19時~21時
場所:Kimchi, Durian, Cardamom,,,(オンライン配信も同時開催)

「Kimchi, Durian, Cardamom,,,」(キムチドリアンカルダモン)のコワーキングスペースを運営しております、CO&COの伊崎と申します。よろしくお願いします。初めて来られた方が多いと思うのですが、ここは変わった館となっていますので、私から説明させていただき、UCCさんにバトンタッチもしながらお話しさせていただければと思います。

ネーミングに込めた思い~カオスな街から食をテーマにした面白いものを産み出す~

「Kimchi, Durian, Cardamom,,,」(キムチドリアンカルダモン)はカオスな名前ですが、ネーミングの背景はどのようなことだと思われますか。この名前には、私たちがどのようなことを成し遂げたいかという意志を込めています。

「Kimchi, Durian, Cardamom,,,」の後ろには、実は99個の食材の名前が続いています。このスペースがある新大久保に来られたことがある方ならご存じかもしれませんが、新大久保は世界各国のレストランなどが集まっている場所です。昔はコリアンタウンと言われていましたが、今は多国籍タウンと言われています。そういうカオスな街から面白いものを産み出そうということで、このKimchi, Durian, Cardamom,,,も、食をテーマにして新しいものを産み出そうという意志を込めています。

製造許可が付いたキッチンを併設。開発そしてチャレンジ出店できる厨房も

Kimchi, Durian, Cardamom,,,は新大久保駅直上の3階~4階にあります。3階はシェアダイニング、4階が食に特化したコワーキングスペースとなっています。実はこのコワーキングスペースは、フードやアグリ関連の方以外は会員になれないという、かなり尖った場所です。JR様が立ち上げた場所に、運営としてCO&COも入っているという形です。背景はまた後でお伝えするとして、先に施設の概要をお伝えします。

2階にスターバックスが入っており、3・4階がKimchi, Durian, Cardamom,,,となっています。4階には、コミュニティキッチンというオープンキッチン、それからファクトリーキッチンと呼んでいる製造許可が付いたキッチンがあります。このファクトリーキッチンには、惣菜と菓子製造がライセンス付与されているため、開発などに使えます。他に、オープンスペースとプライベートオフィスがあるという形になっています。

3階はフードコートのようになっており、4つの厨房があります。短期出店でチャレンジショップとして店を出せますので、チャレンジャーにとっては出店できる場所でもありますし、お客様にとっては新しい食に出会える場所になっています。

食の分野で、チャレンジや新しい食文化を産み出し、地方と都市をつなぐ

なぜKimchi, Durian, Cardamom,,,という場所を作り出したか、背景をお話ししたいと思います。

これはもともとJR東日本様のプロジェクト「東京感動線」という山手線沿線を盛り上げていこうというプロジェクトの一環です。このプロジェクトは、色々な駅に色を付けて面白い場所にしていこうというプロジェクトなのですが、新大久保は食のテーマでいこうと決まり、ここ2~3年ぐらい議論しながら進めてきました。新大久保は世界の食が集まる場所であり、シェフなどがスパイスを買いに来る場所でもあるので、食をテーマにして盛り上げていこう、それもただ場所を作るのではなくてソフトをしっかり作り街を盛り上げていくこともゴールとしています。

具体的には、フードやアグリでチャレンジされる方を産み出していくことや支援していくことと、新しい食文化を産み出していくことをゴールとしています。その先に、新大久保を盛り上げること、山手線沿線を盛り上げることもゴールとしています。また、少し軸を変えると、地方と都心をつなぎ、さらにグローバルにつないでいくことで、地方創生にも寄与することもテーマにしながら、地方と連携し色々なプロジェクトを立ち上げている場所でもあります。

コミュニティ機能、ラボ機能、ファイナンス機能を実装して食のチャレンジをサポート

そういったゴールをどのような要素で成し遂げていくかについて、4つの機能を挙げています。

1つ目は「コミュニティ機能」です。コミュニティができる場所でネットワークを広げることができ、場所が盛り上がるということも一つですが、ネットワークがあることによって、例えば過去の失敗談なども共有し合えるので「しくじり先生」からも色々なことが学べるというのもメリットだと思います。

次は、ファクトリーキッチンという「ラボ機能」です。テストをして自信を持ってから自分の店舗を出していくというステップを踏める場所にもなっています。

3つ目は「メディア機能」です。このように色々な場所があり、一気に使うとリアルメディアのような形になっていくので、それをトータルで見た時にメディア機能として捉えることもできるかなと思っています。デジタルではなく、リアルの接地面を増やしていくようなメディアです。

最後は「ファイナンス機能」です。チャレンジするにも先立つものがないとできません。よくあるのはクラウドファンディングです。ここであれば少しリーズナブルにクラウドファンディングで資金調達ができるというのを、株式会社CAMPFIRE様と連携しながらやっています。資金調達をしてからイベントをしたり新しいチャレンジをするということもサポートしています。

これらの機能を実装して食のチャレンジをサポートしていくのが、Kimchi, Durian, Cardamom,,,がやっていることです。色々なプロジェクトを行っており、この時間だけでは語りきることができませんので、また質疑応答の時などにお答えできればと思います。

機能の中で基礎となっている「コミュニティ機能」について説明します。

こちらには4社が関わっています。
まずJR東日本様が不動産オーナーです。そこにマスターリースという形でJR東日本様のグループ会社である株式会社オレンジページ様が関わっています。4階にCO&COというコワーキングスペースやコミュニティ作りに特化したスタートアップが入っており、3階を広告やイベント企画・運営や広報PRなどに強い株式会社インテンション様が持っています。

当スペースのネットワークにはグラデーションがあるのが特徴と言えます。
例えば、JR東日本様は大手企業や地方行政・地方創生プレイヤーの方のネットワークをお持ちです。オレンジページ様は雑誌の中で料理を提供する料理家の方々のネットワークと、会員のネットワークを数万人お持ちのため、テストマーケティングとして活用できるということがあります。CO&COはスタートアップなので、0→1の壁打ちのビジネス創出と、スタートアップとのネットワークがあります。インテンション様は料理人のネットワークが豊富で、料理人1,000人ぐらいにアクセスできるというところがあります。

このように色々な方々に接続することできるということもあり、色々な掛け算で新しいものを産み出すことができるようになっています。運営者が言うのもなんですが、ここはそんなに広いスペースではありません。しかし、週1~2回来る人が増えてきており、かなり多くのネットワークが存在し、関係人口が多いのが強みであると言えると思います。

また、この4社のネットワークを瞬間的に使うこともできるので、掛け算が多く生まれるような、そんな場所を産み出しているということが特徴です。食のチャレンジャーの方々と企業や生産者の方々、それに政府自治体などを掛け算にして、消費者の方々に新しい食体験を提供するというのがKimchi, Durian, Cardamom,,,の目指すところとなっています。

ネットワークを作り、そこからまたネットワークが深まるポジティブなスパイラル

このコワーキングスペースは、色々なソリューションを提供しています。
コワーキングスペースというと、場所を貸し出すような形態が多いかと思いますが、それだとソフトが弱いです。これからコワーキングスペースが増えていく中でソフトの整備が大事だと思い、私達もこの4社が協働して色々なアセットを使ってサービス提供していくことを重要視していますし、こういったビジネスフローの中で色々なネットワークでパートナーシップを作りながら、色々な形でフードのチャレンジのサポート・支援をしています。

企画構想の部分はこのような感じで4社がタッグを組んでやっていきますし、テストマーケティングをファシリティやネットワークを使ってやっていけます。量産体制はできないですが、ファイナンス部分は先ほどお伝えしたパートナーシップでサポートしたり、材料調達の面で言えば青果の卸さんと連携してフードロス品を中心に使える状態を作っています。またOEM企業では、いきなり大ロットでチャレンジするということはあまりないので、小ロットや中ロットでできる企業とのパートナーシップを結び、最初の初速を高めるためのOEM先を紹介するということもやっています。広報・PRや販路という面では、JR東日本様がお持ちの色々なアセットで展開するということも可能です。

パートナーシップの中でそういうことも意識しながら関係性を深めているという形です。3月末に立ち上げてから半年過ぎましたが、日々ネットワークが構築されています。課題が持ち込まれるたびにネットワークを作りに行くので、それによってまたネットワークが深まっていくという、ポジティブなスパイラルがあります。

CO&COのコミュニティづくりは、「ボーダレス」「グローバル」「共育・共創・共生」がテーマ

CO&COもコニュニティ作りをしているので、簡単にご紹介します。

札幌からスタートし、実はJR東日本様と一緒にシンガポールでもコワーキングスペースをやっています。2022年1月に名古屋に単独出店でオープンすることになっており、また来年台北にもオープンしようとしています。新大久保を含め7拠点を持った、グローバルコミュニティに特化してコミュニティ作りをしているプレイヤーです。

今は場所づくりをしているところで、写真にも出ていますがかなりグローバルな感じです。CO&COはボーダレスコミュニティ・グローバルコミュニティを作ることを一つのテーマとしています。ラーニングとワーキングでコミュニティを作ろうということで、ラーニングからスタートしたコミュニティ作りの会社です。

ラーニングというのは、外国人向けに特化した日本ファン作りのインバウンド事業がこれにあたります。具体的には短期留学専門の日本語学校で、外国の日本ファンが集うコミュニティを作っています。これは基本的にビジネスパーソンが主になるようなポジショニングをとっています。日本の方向けにも外国語学校という面で英会話スクールやアジア語学スクールを提供しており、外国人の日本ファンと外国に興味がある日本人が同じ場所に集うラーニングコミュニティを作っています。基本的にビジネスパーソン80%以上になっていますので、コワーキング施設もシナジーがあります。

「インプットとしてのラーニング」「アウトプットとしてのワーキング」として捉えると結構シナジーがありますし、しかもグローバルというところでも少し変わったコミュニティ作りができています。ボーダレスコミュニティを作ることで、共育・共創・共生で世界をひとつにするというビジョンを掲げながら、共育:コラーニング、共創:コワーキング、共生:コリビングというステップでコミュニティを作っていくことを目指し活動しています。

グローバルとローカルをつなぐことでコミュニティを作るコラーニング・コワーキング・コリビングというステップでコミュニティを作るということ。それから英会話を学び留学したいとなった時に留学サービスもあるとか、アジア語学も学びたいとなった時にアジア語学があるとか、働きたいとなった時にコワーキングスペースがあるというように、次の出口を作っていくことでずっと繋がり続けるような、そんなコミュニティ作り。ずっと繋がり続けることがそもそもコミュニティの本質であり、それを実現している会員制の場所です。

写真のように、外国の方、日本語を話す外国の方もたくさん来られるので、カオスで面白いコミュニティとなっています。

コミュニティを創っていく上でさまざまなことを考えるのですが、「良い『コワーキングスペース』もとい、良い『コミュニティ』を創るには?」という点で言うと大事な要素として色々なものがあると思います。組織的な観点でいくと、チェスター・バーナードが言っている言葉で「組織成立の三要件」というものがあります。コミュニティは組織ではないですけど、コミュニティの場合も一定当てはまるのではないかと思っています。

一つは「共通の目的」です。共通の目的があった方が色々なシナジーが生まれるということで、私達の場合はグローカル・食・学びをテーマにしています。この街もグローカルなのでそこに力を入れているということ、食についてもそうですし、学びということからテーマを創るというのも一つあります。

また、結構大事だと思っていることに「協働意思」があります。協働しようとする人達を集めるための方法というのは説明が難しいのですが、TakerではなくGiverで集まる人達を作っていくというのを何かしら仕掛けていくことが大事かなと思っています。循環型のコミュニティのようなイメージです。

あとは「コミュニケーション」が自発的に起きるような仕掛けを、コミュニティマネージャーがどう動いてやっていくか、コミュニケーションが自然発生的に起きるハード面の空間づくりなども大事かなと思います。

多様な人と新しい出会いが集まる「カオス性」と定期的に人が入れ替わる「流動性」

「共通の目的」「協働意思」「コミュニケーション」に加えて、CO&COが大事にしているのは「カオス性」です。新しい出会いがあった方が面白い、刺激になるということもありますので、カオス性も大事だと思います。また「流動性」つまり定期的に人が入れ替わることも大事です。コワーキングスペースは賃貸借モデルなことが多いので停滞しやすいと思いますが、新しい人が定期的に入れ替わっていくというモデルをどう作っていくかというのもすごく大事だと思っています。

コミュニケーションという点では、ハード面で色々担保できるところもあると思っています。今回UCC様と一緒に登壇させていただいていますが、ここにあるドリップポッドなども弊社でも導入して協賛していただいています。CO&COの施設にも会員制のカフェを作っています。カフェというリアル接点を持ってコミュニケーションが起きるということも結構大事かなと思っています。
コワーキングスペースの多くは受付をして各々個別作業することも多いと思いますが、カフェなどがあると利用者同士の接点が増えるので、コーヒー等にこだわるというのはコミュニティ作りの方法の一つだと思います。UCC様のドリップポッドの周りではやはりそういった利用者同士の接点が生まれており、UCC様もその点にフォーカスしてくださっています。ここでUCCの柳澤さまにバトンタッチして、どういう思いでこういう事業をされているのかと、入ってみていかがですかというところのコメントをお聞きできればと思います。

新たな出会いやパートナーシップを求めたドリップポッド導入

※以下、ハイライト部 UCC柳澤さん発言

UCCでカプセル式コーヒーブランドである「ドリップポッド」の事業開発を担当しております柳澤と申します。

お話いただいた通り、ドリップポッドは2つの目的を持ってKimchi, Durian, Cardamom,,,さんに導入させていただいております。

ドリップポッドは、UCCが90年開発してきたドリップの技術がボタン一つで、どこでも誰でもいつでも楽しんでいただくために開発されたコーヒーマシンです。本日はウェルカムドリンクで、ベトナムのダラットというコーヒーをお出しし、さらにそのコーヒーに合うスイーツを2個ご用意しています。フードペアリングやコーヒーマリアージュという話になるのですが、実際お味はいかがでしたでしょうか。ドリップポッドの特徴として2点ありまして、プロのハンドドリップの技術がマシンに搭載されている点と、世界中からUCCが厳選したコーヒーや茶葉を楽しんでいただけるという点があります。

事業開発では、新たなチャネル開拓の他、企業や地域の方、コミュニティと協働しまして、新たなチャネルやコーヒーや商品の価値づくりも役割として担っております。その中で、先ほどお話しされていたパートナーシップ支援、ビジネスマッチングやネットワーク支援というところでKimchi, Durian, Cardamom,,,に入らせていただいています。食というテーマだったので、コーヒーと食は相性が良いので、ここで新たな出会いやパートナーシップが得られるのではないかという狙いがありました。

入ってみて実際どうだったかということをお話いたします。お人柄も非常にあると思うのですが、伊崎さんは本当にさまざまな情報をお持ちで「この企業はどういう事業をやっていて、どういうことを目指していて、どういう企業さんを求めているか」といったことをインプットされています。私が「伊崎さん、こういう会社さんを探しているんですけど」とお伝えすると、パッと出てくるんです。「伊崎さん、今お茶探しているんですが何かないですか」とご相談すると「あ、そういえば」みたいな形でお茶の生産者を紹介していただいたりとか、「私、サスティナブルな活動を今後やりたいんですよね」という話をすると「サスティナブルと言えば…」みたいな感じで、色んなテーマで必ず何かしら紹介していただくということがあります。ご自身の性格と人柄というところも大いにあるのですが、必ず繋いでいただいているというところは本当に、非常にこの場所に入ってすごく良かったなと。私としても会社としても色々な会社さんと繋がっており、メリットがあったなということがあります。

コーヒーをハブとしたコミュニケーションツール導入の活用実績を作りたい

ドリップポッドはコーヒーではありますが、コーヒーを売るだけではなく、より豊かなコーヒーライフを送っていただくために、コーヒーのおいしさや、コーヒーをどうやって楽しむと新しいプラスアルファを見つけられるのかを発信していきたいと思っています。

また我々は生産地を大事にしているので「このコーヒーはこの生産地で、こういう人達が作っていて、こういうストーリーがあるんです」ということも伝えています。色々なメーカーさんとコラボして、コーヒーと食事を楽しむライフスタイルの提案という点で協働をさせていただくこともあります。

私達には、コーヒーをハブとしたコミュニケーションツールを使って、その場所のコミュニティの活性ツールとして活用してほしいという思いがあります。コミュニティをお持ちの場所にコミュニティの活性のツールとして導入し、使っていただいて実際どうだったかという実績を作りたく、Kimchi, Durian, Cardamom,,,さんに入らせていただいております。Kimchi, Durian, Cardamom,,,さんの方でコーヒーでどういうメリットがあったか、活性のヒントをお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。

経営者で新しく来られた方がいらっしゃると、毎回場所を説明して回るのですが、その時に色々なストーリーを語ります。地方創生にこうやって寄与していきたいとか、フードロスにこうやって寄与していきたい、みたいな時に、やはり単に物を売るという企業さんのものであればそのストーリーに乗っけることも難しいです。

コーヒーショップはエスプレッソマシーンが多い中、実はUCCさんはドリップに力を入れていて、ゆったりした時間を過ごすということを大事にしているとか、今日お淹れになっているベトナムのダラットのコーヒーについては、ベトナムのコーヒーをただ買い取るだけでななくて、ちゃんと現地の方を育成し、コーヒーの質が低いという課題を解決しようとされているストーリーなども、Kimchi, Durian, Cardamom,,,を語る上ですごく面白いものです。UCCさんは良く話を聞いていますと、ローカルに根差してちゃんと地方を都市とつないでいく、グローバルに繋いでいく、というところのストーリーとのシナジーがあるので、ドリップポッドを置いていてすごくストーリーが話しやすいです。

もちろんコーヒーを通してコミュニケーションが発生するということもありました。お客様同士がコーヒーを淹れながら少し話すという、滞留の場を作ることでコミュニケーションが発生したりということもあり、すごくありがたいと思ってご一緒させていただいております。

うちの商品を必ずっていう話じゃないのですが、コーヒーというのが意外と、ちょっとした会話や入居者間の話をするきっかけになるので、ぜひコミュニケーションツールの一例として参考にしていただければと思います。

コーヒーのマッピングも面白いですよね。コーヒー名には商品名みたいなものが多いですが、これは地方名が書いてあったりするんですよ。地方によって結構味の酸味とかコクが違ったり。レーダーチャートみたいなものもあるので、ぜひそこも楽しんでいただければいいかなと思います。イベントもやったことがありますね。

そうですね。写真のような感じで、いろんなコミュニティの場所でコーヒーのドリップのイベントからペアリング、アレンジレシピをみんなでわいわいお話ししながら楽しむというイベントですね。

コミュニティ運営には、どんな価値を提供するか、関係人口を増やすこと、Giverの精神でどう繋ぐかが大事

コミュニティスペースを創っていくことは、場所を提供するだけにとどまらず、どのような価値を提供していくかという点が大事だと思います。意識しているのは関係人口を増やしていくことで、そこまでをコミュニティと捉えることも大事だと思っています。

例えば、ここにいる方々だけだと掛け算の起きる変数って少なくなるのですが、そこを外部まで広げて、通過していった方でも面白い方がいればちゃんと覚えておいて、どんな人だったか語った上で、ヒアリングした上でストックしておきます。そうすると、この中のネットワークだけでは解決できないことも、外のネットワーク関係人口の方々が作れば解決できるとか何か価値提供できる。そこってビジネスに即繋がるっていう訳ではないのですが、ここは「協働意思」に近いと思いますが、Giverの精神でどう繋いでいくかというのがコミュニティ運営には大事だと思い、運営させていただいています。

本日はありがとうございました。

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「SLOTH JINNAN(スロス ジンナン)」を運営する株式会社しんか 代表取締役 久田友彦さんにお話いただきました(第82回コワーキングスペース運営者勉強会®) https://coworking-japan.org/20211124-slothjinnan/ Mon, 14 Feb 2022 10:21:47 +0000 https://coworking-japan.org/?p=6957 東京都渋谷区神南に2021年9月にオープンしたコワーキングサロン「SLOTH JINNAN(スロス ジンナン)」を運営する株式会社しんか 代表取締役 久田友彦さんにお話いただきました。

日時:2021年11月24日(水曜日)19時~21時
場所:SLOTH JINNAN(スロス ジンナン)(オンライン配信も同時開催)

株式会社しんかの久田と申します。私達の会社は、主にオフィス移転を行っている会社です。オフィス移転のきっかけを通じて、企業の成長支援を行うということを理念としています。オフィス移転を単なる移転にせず、企業の成長のきっかけだと捉えて15年やってきています。

しんかが主に行っていることは、オフィス仲介業、不動産オーナー向け空室支援、またスペースを中心にしたコミュニティ運営とそれに付随した起業支援、それからデジタルホワイトボードの導入支援を行っています。デジタルホワイトボードはYouTubeで使い方動画を公開しており、企業さまより発注をいただいて販売しています。

しんかの特徴~オフィス仲介、コワーキングスペース運用、SNS活用を柱に~

しんかの特徴の1番目として、渋谷でオフィス仲介を16年行った実績がある私を中心に会社を運営しています。市場の移り変わりが大きい渋谷の中で、居抜きの退去や入居の支援実績があります。

2番目は、スペース運用です。しんかは6年6期を迎える会社ですが、私は起業して11年になります。しんかの前に運営していた会社からスペース運用をしています。実はしんかの運営するコワーキングスペースはしんかのオフィスです。オフィスをそのまま私達もコワーキングスペースとして利用しながら、皆さまと交流しています。皆さまの隣で作業する中、お困りごとを解決していくということを8年行ってきました。これの派生で、コワーキングスペースSLOTH JINNAN(スロス ジンナン)を始めたという経緯です。

3番目は、SNS活用です。SNSの活用の結果としてテレビに出演したことが何度かあります。また、私達は何か媒体を作って集客しているというよりも、Facebookで繋がっている方からのご紹介でお仕事させていただくことも集客のきっかけとなっています。

「仲間」を大切にしているから付けた「しんか」という社名

しんかが大切にしていることは「仲間」です。
私の実家は沖縄で、19歳で東京に来て現在21年目となります。起業は2回目となるのですが、起業ってやっぱり大変で、その中で顧客や仲間に支えられてきたと思っています。それで、沖縄方言で仲間のことを指す「しんか」を会社の名前にしました。私達は、顧客にオフィス移転の相談を受けても、お話を聞く中で移転が必要なければ「しない方が良い」、また、拡張の移転の必要がある場合は「必要があります」と、積極的にご提案しお手伝いするよう心がけています。

しんかは、「繋がり」を「あなたが選ばれる優位性づくり」と捉えています。名刺の活用って結構難しいと私は思っており、例えば私はSansanで名刺交換した人が1万2千人ぐらいいるのですが、二度と会わない方の方が多いです。今はFacebookで繋がるようにしています。2,800人ぐらいの方と繋がっていますが、一度お会いした方をきっかけとして別のきっかけをいただく機会があります。今日も実は、Facebookからの繋がりでこうして講演をさせていただくことになりました。皆さまもぜひ私とFacebookにて交流させていただければと思いますのでよろしくお願いいたします。

そのようにFacebookを活用していく中で、2018年に「いま部屋を探しています」というフジテレビの60分番組にて、20分間出演することになりました。1月2日の深夜番組で放送されたのですが、その後も含め4回ほど放送され、友達に「何でテレビ出てるんだ」と怒られました(笑)。尺(出演時間)が長くてインパクトも強かったと思います。また、2020年のゴールデンウィーク開けの7:05頃、TBS「あさチャン」にも出演しました。これもSNSがきっかけで、私達が発信していることをメディアの方が観てくださり、取材を受けることになりました。

コロナ禍におけるオフィス移転の実情

コロナをきっかけに、どうオフィスのあり方が変化したかということをお話したいと思います。コロナをきっかけに、2,000坪借りていた企業様から縮小移転したいという話がありました。何坪がいいだろう、200かな100かな、と話してもいましたが、最終的に10坪のシェアオフィスに移転するということが起きていました。その結果、空室率が増えました。全てが縮小というわけではありませんが、皆さまそれぐらいの単位で縮小移転をしているのです。渋谷は拡大移転をされている企業も多いのですが、縮小移転がこれだけの単位行われれば空室率が増えるよね、ということがコロナ禍での変化です。

オフィスの借り方も変化しました。今後どうなるか分からないということから、なるべく工事をせず入居したいという志向が強く、「居抜きオフィス」での移転が増えました。単価が高くても、居抜きで工事費がかからないのならそのまま移転したい、ということが経緯となることが増えました。

コミュニケーションの機会の損失=クリエイティブな機会の損失

働く人達の環境の変化については、この1年半~2年の間、出社制限によるリモートワークに変化し、家から出ない生活が始まったと思います。Web会議が増え、会って打ち合わせをする機会は少なくなりました。その結果雑談する機会が減りました。Zoom飲みが流行りましたが、実はZoom飲みというのは一方的に誰かが話しているのを聞くようなものが多く実際にはそこまで楽しくない、本当にコミュニケーションの穴埋めができているかといえばそうではないのではないか、と私達は思っています。コミュニケーションの機会の損失はイコールクリエイティブな機会の損失ではないかと私達は捉えて、SLOTH JINNANプロジェクトがスタートしています。

SLOTH JINNANが目指したいことは「クリエイティブな日常を共につくる」ということです。「信頼できる仲間との対話によって増幅された感性は、その関係性がドメスティックであればあるほど濃い濃度で発酵される。仲間と共に独自に追及を続けた表現は、時間をおいて徐々に周囲にも惹かれる存在になっていき、その創造的な日常の積み重ねが、街のカルチャーと呼ばれるようになるのだ」ということを一つのテーマにしてSLOTH JINNANを作っています。

談話する中でクリエイティブな何かが生まれる場所

まだリモートワークをされている方もいらっしゃると思いますが、飲み会だけではなく仕事のきっかけもなかなか少なくなっているのではないかと思っています。特にクリエイティブな、新しいものを作り出そうとしている方達は、たわいもないお話の中から「これやってみよう」「これって面白いね」と思ってもらえる機会があることで仕事が生まれたり新しいアイディアが生まれたりする機会があったと思っています。今までの歴史を見ていても、クリエイティブな場所というのは皆さまが談話する中で何かが生まれていたと私達は読み解いています。スペースをそういう場にしていきたい。どちらかと言うと、仕事のワークスペースの場というよりは、何かが生まれる場所にしていきたい。そういうニーズがあるということでSLOTH JINNANをやってきました。

働くための場所というよりは、感性の合う仲間が集い働きながら談話を楽しむ場所という捉え方です。どちらかというとカフェ寄りの立ち位置で、常に音楽が流れていて対話が聞こえてしまうような場所です。夜になったらムーディーになるなど朝・昼・夜で雰囲気が変わり、そこにいる人達の雰囲気も変わるということができるのではないかと思っています。

コロナ前は、コワーキングスペースでは皆さまコミュニケーションをとりながら一緒にお仕事をしていましたが、今はどちらかというと本当に作業場になりつつあるなと思っています。そのような中、またコワーキングスペースが皆さまが一緒に働く場所にならないかと思っており、そうなることを目指しています。

利用者が集い、そこから何かを生み出せるスペースへ

スペース名「SLOTH」に込めた意味

「スロス」は日本語で言うと「ナマケモノ」という意味があります。英語では「Slow(スロー)」からきています。日本ではナマケモノと言うと怠けているというイメージがあると思いますが、英語のSlowに関して言えば「自分のスピードで生きている」のがナマケモノで、実は自分のやりたいことを貫いている生き物だと考えています。ナマケモノはぶら下がっていながら体毛に蛾を飼っており、その蛾のフンの中に生えた藻を食べることで下に降りずに生きています。実はエコシステムを自分の身体に持っていて、他者と共生していけることで、彼らは自分達がやりたいことをして生きている動物だと私達は読み解いています。そういう人達が生き生きと集まっていける場所にしていきたいと「スロス」という名前にしました。

用途別のスペースにも思いを込めて

SLOTH JINNANは実は以前は洋服や雑貨のセレクトショップで知られるBEAMSのショップでした。

SLOTHのバースペースは、私達株式会社しんかが運営していますが、株式会社ドラミートウキョウというウィンドウディスプレイをやっている会社さまに借りていただいていており、イベントやポップアップストアなども行っております。このように、会員さまのスペースというよりも神南らしい場所として使っていけるようにしたいと思っています。

会員専用のスペースは、真ん中にライブラリーがあります。ライブラリーにはSLOTHらしい100冊の本をご用意しています。これらの本を読んでいただいても結構ですし、カメラを使ったライブ配信を行っていただくことも可能です。仕切りがカーテンしかないので、音が入ってくるし出てもいくというライブ感があります。SLOTHの一番の特徴であるライブ感を楽しんでいただける場にしていきたいです。

ミーティングスペースも敷居がありながら入口はカーテンしかなく、音は聞こえるものだと捉えてご利用いただけるような方にご利用いただいています。とはいっても音が入ってはまずいという方もいらっしゃるので、もともとフィッティングルームだったところをそのままwebブースにしています。そこでweb会議などでご利用いただいているというのが今の時節の利用の仕方です。ミーティング利用がない時は会員様もご利用できます。本日のようなイベントやYouTubeの撮影などにもご利用いただいています。

このスペースは以前利用されていたBEAMSの頃の仕様をそのまま引き継いでいます。この空間の仕様の中で私たちらしさを表現するのは難しいと考えて、あえてトイレで表現しています。SLOTHのテーマであるコミュニケーションが弾む空間をイメージしています。

SLOTH JINNANのお手洗い

五感が心地よいコミュニケーションスペースを作るための「調光」と「聴景」

視覚だけに限らず、五感が心地よいコミュニケーションスペースを作っていくべきではないかと考え「調光」と「聴景」の調整にも力を入れています。

調光に関しては、朝は日の光が大きな窓から入り、夜はナイトモードとして通常ついているライトが消えて手元の間接照明だけがつくようなモードになります。本日のセミナーが終わった時にはナイトモードになっていると思うので、それを楽しんでいただければと思います。

聴景に関しては、今は音が何も流れていないので私の声しか聞こえない状況ですが、ここで誰かがしゃべったら違和感がありますよね。それを違和感がないように音でうまく調整する仕掛けをしています。今回、株式会社神山聴景事務所の神山健太さんに聴景を作っていただきました。神山さんにプロジェクトの途中からご参加いただき、私達の考えやどういうことをしたいのかをお伝えした上で、一緒に今の音楽を作っていただきました。空間づくりのお手伝いを神山健太さんにしていただいたのです。

神山健太さん、SLOTHの音楽を作った経緯と、どのようなことを目指して作ったのかを教えていただけますか。

神山さん
私は「聴こえる風景をデザインする」という意味で「聴景デザイン」と名付けています。神山聴景事務所ではもともと商業施設やレジャー施設などの空間の音作りを行っていましたが、コロナ禍になり、シェアオフィスやコワーキングスペースの音問題を身近なクライアントさまから相談いただくようになりました。実際行ってみるとやはりその空間に合っていないような音楽であったり、音楽だけではなくて音響の面で色々問題があったり、これはなんとかしないとと思いました。せっかく内装をあれこれ考えて作っているのに音楽や音響のせいで空間の価値が下がるという現場をたくさん見てきたのですが、これは働く空間だけではなく全ての空間がそうなり得ると思います。音楽づくりだけではなく音響という面で、発生する音全てを考慮して何か音を作れないかと思っていました。そこで久田さんと知り合うきっかけがあり、どんな音作りをしようかと思いました。

渋谷にもいくつかコワーキングスペースがあり、その中でオリジナルのBGMを作っている場所もあるにはありますが、作ったものをそのまま流してしまう現場がありました。人がちゃんと入るようになってからすべての音響が分かってくるので、音楽を導入して終わりではなく、人が入ってからそこで始めて音響設計をするということも大事にしています。また音楽という面でも、SLOTHというブランドを維持するために、もっと皆さんのコミュニケーションを促せるような音楽づくりをしてみました。

音楽のテンポ感も、一時間のうちにテンポを微妙に下げたり上げたりして細かく調整しています。気付いたらすごくテンポが速くなっていることでテンションが上がったりモチベーションが上がったりして、話すのが楽しくなり、結果的に楽しい空間につながるようにしたいです。

僕もここに時々通っていますが、なるべく仕事をしないようにしています。働くだけではない場所だというSLOTHのブランドという面から、僕もここに来て自分の好きな音楽を流したり読書したり自分が好きなことをやったりする中で、皆さんがどうこの空間を使っているかを眺めて観察しています。その中でまた新しく音楽をとか、こういう音作りもアリかなとか、この時間帯ってみんなこういうふうに使っているがこういう音環境にした方がいいかなとか、照明との関係性も考えながら、今までにはない作り方をしています。コワーキングスペースが本当に働くだけの環境になればまた別のアプローチになるのですが、SLOTHはやはりちょっと遊び心も考えて作ってみました。

このスペースのオーナーさんはアパレルが本業で、このエリアに2棟ビルをお持ちです。ここは渋谷公園通りというエリアに属しますが、公園通りの理事長もされており、この地域がどうやって発展していったら良いかということに関わっていらっしゃいます。
このブロックには私達と同じような業態が5社ほどいらっしゃいますので、やると決めてから競合がたくさんいるのだなと思ったのですが、オーナーさんと私達のこの地域での強みとしては「この地域に根差した企業がやっている」ということがあります。私はオフィス仲介をしているため色々な企業さんとのつながりがあり、またオーナーさんは理事長をされています。近隣の北谷公園のイベントの出展者を私達が紹介したり、こういうことが面白いんじゃないかと地域ぐるみになって企画に参加することができたりという立ち位置にいることが一番の強みだと思っています。
渋谷区は北谷公園を中心に盛り上げようとしているので、北谷公園とこの施設をどう繋げて差別化をしていきブランドにどう繋げていくのかということが、私達がこれからやらなくてはならない課題だと捉えて今やっています。

本日はありがとうございました。


ス協会が主催するコワーキングスペース運営者勉強会でお話いただいた内容をもとに作成しております。

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第81回コワーキングスペース運営者勉強会®を「TSUTAYA SHARE LOUNGE川崎駅前店」を会場として開催しました。 https://coworking-japan.org/2021-10-13/ Fri, 22 Oct 2021 11:33:34 +0000 https://coworking-japan.org/?p=6660 一般社団法人コワーキングスペース協会®主催の第81回コワーキングスペース運営者勉強会®を、TSUTAYA BOOKSTORE 川崎駅前店内の「TSUTAYA SHARE LOUNGE川崎駅前店」を会場として開催しました。

なお新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、会場参加の人数は一定数に制限し、Web会議ツールZoomを利用したオンライン同時配信行い、リアルとオンラインを併用した形式で企画・開催しました。

開催日時

2021年10月13日(水曜日)19時00分~21時00分

第81回コワーキングスペース運営者勉強会®の内容

「TSUTAYA SHARE LOUNGE川崎駅前店」の紹介とご講演、施設見学

スピーカー:TSUTAYA SHARE LOUNGE川崎駅前店 店長 長尾凪紗さん

【参加対象】

  • コワーキングスペースを運営している方
  • コワーキングスペースの運営を検討している方
  • コワーキングスペースを日常的に使っている方や興味がある方

【会場】

TSUTAYA SHARE LOUNGE川崎駅前店
https://tsutaya.tsite.jp/store/tamachi/index
〒210-0007
神奈川県川崎市川崎区駅前本町8 ダイスビル5F

【スケジュール】
受付:18:30~19:00
オンライン参加の方には事前にZoomの参加URLをお送りし、18:30~入室可能としました。
第1部:19:00~20:00(オンライン配信あり)
・ご講演(TSUTAYA SHARE LOUNGE川崎駅前店 店長 長尾凪紗さん)
・質疑応答・施設見学
オンライン参加の方には、チャットベースでご質問を募りました。
また、施設見学はスマートフォンを利用してツアーの様子を配信し、施設内の様子もご覧いただけるよう工夫しました。
第2部:20:00~21:00(オンライン配信なし)
懇親会(現地参加者のみ)

【主催】
一般社団法人コワーキングスペース協会®

当日の様子

当日は、TSUTAYA SHARE LOUNGE川崎駅前店 店長 長尾凪紗様より、TSUTAYA SHARE LOUNGE川崎駅前店についてご紹介いただきました。

TSUTAYA BOOKSTORE 川崎駅前店内に展開する同スペースは、2021年8月にオープンしたばかりのまだ新しいスペースです。もともと同じビルの1階にあった「TSUTAYA川崎駅前店」が5階へと引っ越しするにあたり、シェアラウンジをはじめ、書籍や文具、雑貨の販売などを取り扱う店舗へとリニューアルを迎えました。

長尾さまのご登壇では「なぜTSUTAYAがシェアラウンジの運営を始めたのか」というお話からはじまり、渋谷や二子玉川などにも展開するシェアラウンジ全体のコンセプトや、川崎駅前店が提供するサービスやスペースの使い分けについてご紹介いただきました。

ワークスペースとして仕事場としての利用はもちろん、一人でゆっくりとくつろいだり、友達同士やカップルで過ごしたりと、スペース内を用途毎にエリア分けすることで思い思いの使い方ができるTSUTAYA BOOKSTORE 川崎駅前店。利用者は自由に使うことができるフリードリンクは、お茶やジュースはもちろん、ナイトロコーヒーやインスタントスープなど、そのラインアップはまさにホテルのラウンジのようです。

TSUTAYA BOOKSTORE 川崎駅前店の営業時間終了後に行ったスペース紹介は、利用用途ごとにエリア分けしているという特徴の説明をいただきながら行いました。書籍や雑誌をそろえるライブラリーや、周囲の音を気にせず利用できるウェブ会議ブースなど、集中して尚且つリラックスして作業できる心配りが随所に見られます。スペースの仕様はもちろん、具体的な使われ方などを実際の運営者様に質問できることもコワーキングスペース運営者勉強会のメリットです。

今回のコワーキングスペース運営者勉強会も前回と同様、会場参加とオンライン配信を同時開催する形式での開催といたしました。オンライン配信はWeb会議ツールZoomを利用し、オンライン参加の方には事前に参加URLをお送りしてご入室いただきました。オンライン参加の方にも会場参加と同じような臨場感を感じていただけるよう、ご登壇に関する質問や感想をチャットで受け付けたり、スマートフォンを使ったスペースツアーを配信したりと工夫しています。

施設見学の後は、現地参加の方を対象に会場にて任意の懇親会を開催。
既にコワーキングスペースを運営されている方もそうでない方も自由に交流いただき、有意義な情報交換をしていただけたかと思います。

第81回コワーキングスペース運営者勉強会®にご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
コワーキングスペース運営者勉強会®は、次回以降も定期開催予定です。オンライン配信については、イベント情報ページでご案内いたします。


【「コワーキングスペース運営者勉強会®」とは】
「コワーキングスペース運営者勉強会®」は、2013年から定期開催している、コワーキングスペースの運営について話し合う勉強会です。コワーキングスペース運営の良い点や悩み事などを情報共有したいという想いから始まりました。
各コワーキングスペースにお伺いしまして、開催しています。

一般社団法人コワーキングスペース協会のメールマガジンにご登録いただきますと、今後のコワーキングスペース運営者勉強会の開催予定や新着記事をご案内いたします。

今後とも、一般社団法人コワーキングスペース協会®、コワーキングスペース運営者勉強会®をよろしくお願い致します。

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「コワーキングスペース八王子8Beat」を運営する株式会社共創空間 代表取締役 小柳次郎さんにお話いただきました(第80回コワーキングスペース運営者勉強会®) https://coworking-japan.org/20210921-8beat/ Wed, 22 Sep 2021 01:00:00 +0000 https://coworking-japan.org/?p=6810 株式会社共創空間が運営する東京都八王子市にあるコワーキングスペースで2021年7月にシェアオフィスと会議室を増床オープンした「コワーキングスペース八王子8Beat」について代表取締役 小柳次郎さんにお話いただきました。

日時:2021年9月21日(火曜日)19時~21時
場所:コワーキングスペース八王子8Beat(オンライン配信も同時開催)

コワーキングスペース八王子8Beatの小柳と申します。8Beatは7年前にできまして、過去にもこちらでコワーキングスペース運営者勉強会を行ったことがあります。最近であれば、コワーキングスペース運営者勉強会がこのような小さなスペースで行われるのは、珍しいように感じます。これからコワーキングスペースを運営したいと考えている方がいらっしゃれば、参考になる話ができればと思っています。

先日、商工会議所の下部団体である「サイバーシルクロード八王子」という団体からも講演の依頼があり、「コワーキングスペースで生き残るには」ということでお話しました。本日はそれを元にお話していきます。

コワーキングスペース八王子8Beatの紹介

まずは自己紹介をさせていただきます。
私は、千葉県市川市生まれで、大学を卒業後大手のCSKという会社に入社しシステムエンジニアとして働いていました。
1990年代中ごろからビジネスの場でもネットワークが当然になってくるだろうということを見越してアメリカで開発されたネットワークソフトを輸入・ローカル化して売っていこうというクオリティ(旧翻訳会社)に転職し、ローカライズ担当でテクニカルサポートとして勤務しました。
その後1998年に八王子にて知人の会社を継承し、株式会社詩林堂としてソフトウェア開発業に従事して20年以上やっておりました。それで現在に至るという流れです。

次に3D画像でコワーキングスペース八王子8Beatをご紹介します。もしご興味があれば作ってくださった方のご紹介も可能です。こちらは、8Beatのホームページから見ていただくことができます。

今とは少し違いますが、オープンしたばかりの頃の中の様子を見ることができます。ピンをクリックすると部屋の説明が出てくるアプリケーションで個室の中にも入って見ていただくことができます。
上部が空いている個室、上まで閉じている個室もあり、本日は大会議室を兼ねたセミナールームで勉強会を開催しています。小会議室は有料でネット予約できる仕組みになっています。
廊下部分にはカウンター式のエリアを作っています。本格的なコーヒーマシンを置いており、今月末にはテレワークボックスをお試しで設置する予定になっています。その他ロッカーの増設など、お客さまの数や要望に応じて調整をしていっています。

シェアオフィスの仕様としては、1~3名の利用を想定したレンタルオフィス(月貸し)のものが12部屋、2人用2室は天井までの仕切りがあります。貸会議室は16~20名程度の大会議室が1時間4,000円(少人数の場合減額可能)、4名程度の小会議室が1時間1,000円となっています。

コワーキングスペース八王子8Beatのこれまで

「第二世代」のコワーキングスペースです

先日は商工会にて「コワーキングスペースとは何か」という基本からのお話でした。
コワーキングスペースは2010年前後から日本でもオープンし始め、その後いわゆる「コワーキングスペース第二世代」と呼ばれる「自分のオフィスが空いているから半分を貸し出そう」というような形態のコワーキングスペースが生まれました。8Beatもその世代です。それからまたしばらく経つと、今度はしっかりと物件を借りて内装工事をして、という本格的なコワーキングスペースが誕生し始めました。

コワーキングスペース八王子8BeatはCode for Hachiojiの拠点として生まれました

8Beatを作った経緯をお伝えします。八王子市の官民連携団体であるサイバーシルクロードという団体がありました。このサイバーシルクロードは、商工会がバックアップしていて地域の金融機関の創業支援活動の一環として銀行の入っているビルのワンフロアを提供してもらっていました。サイバーシルクロードの中に八王子市内のIT業者が集まっている八王子ITネットワークというグループがあり、私もソフトウェアを作る会社をやっておりIT業者なので入っていました。

八王子ITネットワークでは、当時オープンデータという、行政が蓄積した情報をうまく引き出し、利用可能な状態にして活用し、市民的な付加価値をつけようという活動が行われていました。商売に直接つながらないとしても社会活動としてやっていこうということで、日本では「Code for Japan」という団体がありますが、八王子でも「Code for Hachioji」を作ろうという話をしていました。

その際にサイバーシルクロードのフロアでは使いづらい、Code for Hachiojiで自由に使える場所を作りたいということで、仲間の一人から「コワーキングスペースというものがあるので、それを八王子で作らないか」という提案があり、何人かでテナントを借りて出来上がったのがコワーキングスペース八王子8Beatです。当時からコワーキングスペース協会の現代表理事を務めている星野さんには色々と相談をさせていただき、ご協力があったからこそスタートできました。

当社は元々ソフトウェア開発会社ですが、7年前にコワーキングスペース八王子8Beatを設立した際、コワーキングスペースの管理会社として株式会社共創空間を設立しました。コワーキングスペース八王子8Beatは私一人ではなく八王子ITネットワークの8名で立ち上げました。始めはCode for Hachiojiの活動拠点として作りましたが、多摩地域における地域支援の拠点としてのスペース提供などもしてきました。

創業相談会や各種イベントなどを開催

オープンからこれまでの7年間、何をしてきたのかをご紹介します。

一つはインキュベーションセンターとして、創業相談会や起業塾・補助金の説明会などを行ってきました。
こちらで実際に起業をして法人登記して展開されている会社もいくつかあります。

二つ目はイベントの場として、街ゼミ・各種セミナー・交流会などを行ってきました。コワーキングスペースといえば、何らかのセミナーを行い、人を集めてコミュニティを作っていくというのが一つのパターンだと思います。ただ、最近はコロナでなかなかイベント等の開催ができないという課題はあります。オンラインでされているところもありますがあまり得意ではないので、今日はオンラインを含めたイベントに参加させていただいて良い経験になっています。

珍しいイベントとしては、日本で数名しかいない、漆に彫刻刀で模様を掘り金粉を埋める「沈金」という工芸作家の方のイベントを行いました。他には食べ物系のイベントも多いですね。その他、子供とプログラミングをやるというイベントや、今年はできるかわかりませんが年に1回11月に周年祭というか大きなパーティを行っています。コワーキングスペース八王子8Beatには畳のスペースもあり、冬にはこたつも置いています。そのような、雑多といいますか色々なスペースに色々な方がいて、色々な交流が行われているのが特徴です。

コロナ禍による需要の変化

最近はテレワーク・リモートワークの場としてご利用いただくことが増えています。テレワークは以前から推奨されてきていましたが、コロナ発生以降、政府や都が多くの助成金を出してテレワークを促進していることもあり、オフィスと家の中間的な場所としてコワーキングスペースに来る方が増えました

コワーキングスペースの一つの肝であるコミュニティの形成というのは、イベントを行わないとできていかないと感じています。単なるテレワーク・リモートワークの場では、コミュニティ形成は難しいですね。

コワーキングスペースとして生き残るには

コワーキングスペース八王子8Beatを7年間続けてこられた一つの理由は、小さな資本であるということです。
資本金200万円で創業融資も受けましたが、それで内装まで行いました。内装といっても電源工事とWi-Fi設備をしたくらいで、残りはIKEAで家具を揃えました。大きな設備投資を行わず、売上は月額会費とドロップインの売上でそれ以外はあまりありません。出費は家賃と人件費、光熱費、後は細かい雑費です。とても単純な構造で、これでバランスがとれている間は続けられると思います。ただ、私の給料をここからというのは難しいので、あくまで本業はソフトウェア開発ということです。

ビジネスとしてコワーキングスペースを運営するには、ここからもっと利益を出す必要があり大変だと思います。大手企業が一部門としてコワーキングスペースを立ち上げたもののうまくいかないという話もよく聞きます。コワーキングスペース八王子8Beatは、八王子のコワーキングスペースとしては初期からあり、そのあと何施設かできましたが多くが撤退されています。簡単に言うと、儲からない事業だということかもしれません。

その上、コロナの影響も多くの方が受けたと思います。
昨年4月に緊急事態宣言が発令され、翌月の1カ月間はどうなるかわかりませんでした。八王子の駅ビルも店が閉まって町が閑散としました。コワーキングスペース八王子8Beatとしてはドロップインを休止し、会員様は利用OKとしました。会員様は自分でカギを開けて入っていただき、新規加入希望の方がいらっしゃる時だけ私も来て手続きを行いましたそのあたりから客層が変化し、テレワーク需要の高まりを感じましたWEB会議をする方も増えてきてきましたね。

一方でこのタイミングで参入してきたコワーキングスペースも多いと思います。特に大手が参入されて、八王子ではJR東日本のSTATION SWITCHさんというコワーキングスペースができました。駅ビルのレストランフロアでレストランが廃業・退店した後に、レストランを誘致するのではなくコワーキングスペースになった例もあります。2年ほど前にはイオンモールのOPAができましたがそこにcoin spaceさんが入りました。BIZcomfortさん、不動産屋ネットワークで作っているfabbitさんなども参入してきました。

価格についても調べてみましたが、STATION SWITCHが2時間600円、1日1,200円、coin spaceが30分200円、BIZcomfortが1時間330円、1日1,200円、fabbitが1時間550円1日1,430円となっていました。コワーキングスペース八王子8Beatはドロップインが2時間500円、1日に1,000円です。フルタイムの月額会員が9,800円。他近隣の他社さんと比べると安く、差別化できていると考えています。

いずれにしても、今はコワーキングスペース戦国時代とも言われますが、価格・場所の競争も含め、厳しくなっています。例えばSTATION SWITCHさんはコワーキングスペース八王子8Beat より少し高いですが、駅ビルにあれば便利ですよね。コワーキングスペース八王子8Beatも便利な場所だとは思いますが、駅ナカには敵いません。

コロナ禍でのスペース増床

コワーキングスペース八王子8Beatは今年増床に着手し7月22日にリニューアルオープンしました。リニューアルでは、新たに新規起業家向けの個室12室、貸し会議室を備えたシェアオフィスエリアができました。

今回の増床のきっかけは、コワーキングスペース八王子8Beatの隣のもともとNPO団体が入っていたテナントが、たまたま今年に入って空いたことです。
部屋が空くということが1月半ばにわかったので、入居希望を出し、保証会社の審査でOKとなったのが2月上旬です。3月に契約を締結しましたが、3月はフリーレントでした。個室の利用契約は賃貸借契約と解釈される可能性もあるので、問題にならないように、契約では特約で転貸OKとしてもらいました
内装には見積もりに時間がかかり、値段が高過ぎたこともあって別の会社さんにも見積もりをお願いし、5月の中旬に出てきた見積もりから予算の関係で設計を変更し内装工事を行いました。6月16日に工事を開始し、約1ヶ月で完成、7月22日にオープンしました。契約してからオープンまでは4カ月かかったので、その間収入がなかったこと、現時点でまだ会員様も埋まっていないので厳しい状況であるのは事実です。

なぜコロナなのに増床したのかということですが、増床はコワーキングスペース運営者にとって一つの夢だということがあります。多くの運営者の方はコワーキングエリアから始めて、増床で個室や会議室を増やすパターンだと思います。つまり増床すれば新規の展開ができるということです。

またコロナで新規参入が増え競争が激しくなったことで、従来のコワーキングスペース八王子8Beatのドロップイン+フリーデスク月額会だけのビジネスモデルでは限界が見えてきていました。このエリアの状況から検討して、個室レンタルは需要があればビジネスになるだろうということで増床を決断しました。

今回の増床にあたり1400万円増資しました。内訳は800万円が自前で、600万円は投資していただきました。ざっくりいうと月30万円の粗利を見込んでいます。5年で回収するというモデルを考えていますが、その他の収益事業も同時に検討していきたいと思います。

オープン初期からの利用者も増床エリアの会員に

コワーキングスペース八王子8Beatのオープン当初からの会員さまでシェアオフィスの個室を借りていただいている岩淵さまを紹介したいと思います。それではここからは、岩淵さまにお話しいただきましょう。

私はコワーキングスペース八王子8Beatに出会い、ここで創業してもうすぐ6年になります。
利用を始めたのは、コワーキングスペース八王子8Beatができて約半年後です。それまでは大企業に勤めており、退職後これからどこで仕事をしようかと探していた時に、たまたまコワーキングスペース八王子8Beatを見つけて、仕事をする上では使い勝手が良さそうということでその日に契約しました。コワーキングスペースについてもよくわからない中、利用者としてコワーキングスペースの勉強会にも参加させていただきました。当時は創業していなかったのですが、登記もできるということで、ここで創業しました。

現在は、儲かること儲からないことも含め色々やっています。
自宅で創業すると社会との縁が切れるのが最大のネックだと思います。その点、コワーキングスペースではさまざまなつながりが作れることがメリットでした。当時個室はありませんでしたが、オープンスペースで仕事をしていました。さまざまなイベントだけでなく、創業や補助金の相談もでき、大きな助けになりました。イベントも儲かるかは別として自分のやりたいことができますし、そのような存在意義を確認できる場に出会えたのは、本当に良かったと思っています。

私は元々IT系なので、本業はWordPressの開発やEC系の開発もやっていますが、今一番ビジネスになっているのはAIのコンサルティングです。それ以外にも地域のアプリを作ったり、ハンドメイドを海外に売りましょうというプラットフォームをやったりしてきました。カナダ系のECサイト作りのお手伝いなどもしています。

コワーキングスペース八王子8Beatに個室ができたのはコロナになってからですが、コロナになって大きくて働き方が変わった実感があります。オンラインでの会議ややり取りが増え、個室が必要だなと感じるようになりました。個室ができる前はオンライン会議では外に出ることもあったので、個室ができて真っ先に契約させていただきました。

緊急事態宣言の際は、私はここにきて自分で鍵を開けて自分で郵便を受けていました。コワーキングスペース八王子8Beatにいると郵便をスタッフさんが受けとってくれるのがとても便利です。現在はさまざまな形態のコワーキングスペースがありますが、コワーキングスペース八王子8Beatはとても私に合っていると思っています。増床の際には出資もさせていただきました。そのような昔ながらの資本参加ができることも小規模運営のメリットではないかと思います。私は八王子に住んでいるわけではありませんが、コワーキングスペース八王子8Beatを拠点に、知り合った方も多く、参加しているコミュニティもたくさんあります。ここを拠点に社会とかかわりながら、これからも色々なことをしていきたいと思います。


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「TENT幕張」を運営するステップチェンジ株式会社代表取締役 松村直輔さんにお話いただきました(第79回コワーキングスペース運営者勉強会®) https://coworking-japan.org/20210826-tentmakuhari/ Fri, 27 Aug 2021 04:00:00 +0000 https://coworking-japan.org/?p=6541 ステップチェンジ株式会社が運営する千葉の海浜幕張にあるコワーキングスペース&シェアキッチン「TENT幕張」について、代表取締役 松村直輔さんにお話いただきました。

日時:2021年8月26日(木曜日)19時~21時
場所:TENT幕張(オンライン配信も同時開催)

TENT幕張を運営しているステップチェンジ株式会社代表取締役の松村直輔と申します。本日はよろしくお願いします。

幕張ベイパークは2019年に作られた、まだまだこれからというニュータウンです。そんな街でコワーキングスペースを作ることになった経緯、「住宅地の中でのコワーキングスペース」の運営上の工夫や思いについてお伝えしたいと思います。

ステップチェンジ株式会社について

当社は、「エネルギー分野」と「コミュニティ分野」で街づくりの事業を行っている会社です。具体的にどのような会社かを知っていただくために、ここで「関係性を想像する」ということをしてみたいと思います。

食事が食卓に並んでいます。
その食事は、食卓に並ぶ前はキッチンで作られ、キッチンの前はスーパーに食材があり、その食材は農家さんで作られます。つまり私たちの食卓に並んでいる食事というのは農家さんや流通業者さんの思いを経て並んでいるということです。食事の際、「『いただきます』と言いながら、そのような関係・繋がりを想像しなさい」とよく言われますが、忘れがちですよね。だからこそ、食べ物の好き嫌いや食べ残しなどを生んでいるのだと思います。

もう一つ、電気で考えてみます。
現代はコンセントを挿せば簡単に電気を使うことができますが、コンセントの前には分電盤、変電所、発電所があり、さらに電気を作るためには石炭・石油・LNGなどがあります。それはタンカーで運ばれてきており、その前には油田があります。多くの石油はタンカーで中東から運ばれてきます。日本に1カ月間で入るタンカーの数は100隻、中東から日本までは約3カ月かかりますので常に300隻のタンカーが日本に向かって数珠つなぎになっているということです。その運んできたエネルギー資源を湯水のように使っているということですね。そのように考えると、石油や電気が大切だということをわかっていただけるのではないでしょうか。

当社はこのような「関係性」というものをもう一度皆さんに知っていただき、それを再構築することで気づきが得られ、ライフスタイルを変えることにつながるのではないかという思いで活動をしています。

地域コミュニティは衰退の危機に

地域には、住民コミュニティを支えるいくつかの組織があります。それは、自治会・町内会・小中学校PTA・消防団・商店街・マンション管理組合・社会福祉協議会といった地域コミュニティです。
これらは、共通して衰退の危機にあるという課題を抱えています。よく言われるのは「なり手不足」「関心不足」ですね。

衰退の原因は「日中の住宅地に活発な世代がいない」こと

なぜ文化が発達し、たくさんの人が活発に動く社会がこのような状態になってしまったのか。
その原因は、日中の住宅地に働き手がいないということだと思います。住宅地と働く場所が離れてしまっており、共働きの方が増えていることで、働く一番活発な世代の方が日中住宅地にいません。いないから活性化しない、これは当たり前ですね。

住民コミュニティの高齢化が進んでいる、お金が足りないというのも原因として挙げられます。IT化DX化といわれますが、住民コミュニティでDX化が進んでいるところなんてないですよね。旧来的で非効率なことが多すぎて、意欲のある方が参加したとしても「やってられない」となってしまいがちです。自分の生活が忙しく手一杯で、地域コミュニティ活動に対する重要度や優先度が低いということもあります。このような中、地域の関連性が崩壊していっているというのが現状です。

人と人がつながる仕組み作りが必要

「災害が起こりました。幸い自分は無事です。同じマンションの住人で、助けを求めている人がいます。あなたはその人を助けたいですか」というアンケートをとったことがあります。9割の方は「助けたい」と回答されましたが、助けを必要とされやすい一人暮らしの老人がどこに住んでいるかを把握している人はほとんどいないということが多くあります。助けるためには、どこにだれが住んでいるのか、その人はどんな暮らしをしているのかということを知る必要があります。

当社は主に新築分譲マンションで、ディベロッパーさんやマンションの管理会社さんと一緒に、人々がつながりやすいような関係性を作っていくためのイベントを行っています。新しいマンションができると、マンションの管理組合を作るだけでも大変ですが、自治会を作るのはもっと大変です。そのあたりの支援も行っています。

イベントをすると住民の皆さんは盛り上がって交流が始まります。しかし、1年後に行くとまた元に戻ってしまっています。その時は盛り上がって満足度も高いのですが、すぐに忘れてしまうんですね。やはりそれぞれの生活が忙しく、ご近所とのつながりや地域コミュニティに対するプライオリティがどうしても低くなってしまうんですね。

住宅地の中に「ハブ」となるような「おせっかい」なスペースを作りたい

では、その課題をどうやって解決するか。私は、住宅地にハブのような、おせっかいおばちゃんのような存在が必要だと考えています。そのような人がいることで、それがきっかけとなり、つながりが広がっていくと思います。そのようなおせっかいなスペースができたらいいなというのをずっと考えてきました。

そんな中で、幕張という街に出会いました。駅から徒歩15分、こんな野原に本当に住宅地はできるのかというところからスタートしました。幕張ベイパークは大手企業さんのジョイントベンチャーで作られましたが、当初は提案段階でいくつかの施設を検討していました。その中に当時Fabが流行していたこともあり、「コワーキングスペースとファブカフェを中心とした交流空間を作る」という計画がありました。これが、当社がコワーキングスペース事業を行うことになったきっかけです。

当時は、誰がこんなところでコワーキングスペースをやるのかという状態でした。誰からも手が上がらない状態で、私たちの思いと重なったこともあり、新規事業としてコワーキングスペースの運営に乗り出しました。

街の入口 マンション敷地内の商業施設内に作ったコワーキングスペース

幕張ベイパークには現在はタワーマンションが2棟建っています。商業施設も広がり、体育館もあります。サッカー場やスポーツジムもあり、新しいさまざまな機能が街にできてきています。
街全体は2029年春の完成を目指しており、まだ入口部分しかできておらず奥は更地になっています。TENT幕張は街の入口にあるマンション敷地内の商業施設の中に入っています。

TENT幕張は建物の二階にありますが、今回コワーキングスペース勉強会を開催している一階のこの場所は、街のコミュニティスペースとなっています。いわゆる公民館のような場所で、日中は主婦の方やお子さんもいらっしゃいます。

街の賑わいを測る指標として、「商店の売上高」「街の人口や来街者の数」「空き店舗率」などが挙げられます。これらを高めるためには、「創業が生まれること」「仕事が生まれること」「職住の環境を整えること」が必要です。これができれば、街の人口は減りません。

街の中に働く場所を作ることで、昼間に人が街の外に出ていってしまうという問題は解決できます。職住近接の環境ができれば、昼間の人口が減らず、空き店舗が生まれたとしても創業が生まれ活用できれば、街は常に賑わってくると思います。

TENT幕張のビジョンは「あなたの夢を叶える場」、コンセプトは「みんなで創る、みんなのTENT」

TENT幕張のビジョンは「あなたの夢を叶える場」、コンセプトは「みんなで創る、みんなのTENT」です。

キャンプをする時に、みんなでテントを組み立てて、みんなで料理を作って、みんなでアクティビティをするというところから、TENTのイメージを掛け合わせてこの名前を付けました。もう一つは「幕張」から「幕を張る」イコール単純にテントというところもあります。もう一つ、「点と点をくっつける」という意味もあります。そんな色々な意味を込めたネーミングです。コワーキングスペースというのは、まさに街を活性化させるための機能を備えていると思います。

施設は天井が約4メートルと高く、一面に窓が広がっています。目の前はスポーツジムと体育館になっています。レイアウトは、面積が454㎡137坪です。半個室のようなシェアオフィスが4室会議室が3室ありますが、大半がコワーキングスペースです。コワーキングスペースには、カウンター席、デスク席、ファミレス席(ファミレスのような個室席)、小上がり席(靴を脱いで上がっていただく席)があり、全体で会話OKにしています。静かに仕事をされたい方に向けては、会話不可のお仕事集中エリアを設けています。

他にも、イベントスペースを設けていたのですが、コロナ禍においてイベントができなくなってしまったので、空いているのがもったいないということと、テレワーク需要が高まってきたということもあり、個室ブースに変更して8席運用しています。

TENT幕張の内観
TENT幕張の内観
TENT幕張の内観

システムに関しては、自社ホームページのほか、リクルートさんが提供している予約システム「Airリザーブ」と「Airペイ」「Airレジ」を入れています。根本のCRMや請求書等のシステムは「Zoho」というクラウドサービスのシステムを使っています。セキュリティはスマートロックの「Akerun」を使っています。初めは他のシステムを使っていた部分もありますが、試行錯誤をしながらこちらのシステムに落ち着きました。

TENT幕張では、さまざまなイベントを行ってきました。千葉県の起業家交流会を担当したり、クリスマスパーティを開いたり、女性が集まって勉強会をしたり、子供向けにマネーセミナーを開いたり、コロナ禍でできることは限られていますがやれることはやってきました。その結果、現在のようなたくさんの方が交流するようなスペースになりました。キッチンカーを誘致して、前でお店を開いていただいたこともあります。

シェアキッチンを備えたコワーキングスペース

TENT幕張にはシェアキッチンがあるというのが特徴で、保健所から菓子製造と飲食店営業の許可を取っています。シェアキッチンは、風除室を越えてこないと入れない場所にあります。元々はコワーキングの人たちにランチを提供することを目的として始めました。

シェアキッチンは、飲食店起業検討者の支援、またはコワーキングスペース利用者のランチ提供を目的として運営しています。製造のみで使いたいという方もご利用いただけます。
特徴は、1時間単位で利用できるという点です。時間利用のみなので、自由度が高いというメリットがあります。現在は、約9割は埋まっている状態です。(コロナ禍では夜間利用不可)

シェアキッチンのご利用者様が、うまくハブになっていただいている印象があります。朝から集中して仕事をされていた方が、ランチは息抜きにしゃべりに行くという感じですね。まさにコミュニティマネージャーのような役割をしていただいています。他にも、シェアキッチンを利用されている方がコワーキングスペースでお仕事をされている方に宣伝やチラシ作成を依頼するといったコラボレーションも生まれています。

多くの会員プランで幅広い需要に対応

会員制度は、コワーキング会員・シェアオフィス会員・シェアキッチン会員・登記住所利用会員という形で運営しています。プランは試行錯誤をしながら改善を繰り返しています。現在は、コワーキング会員だけでスタンダードからプレミアムまで11のプランがあります。

ドロップインも受け入れを続けています。始めの緊急事態宣言の際には、千葉県以外からいらっしゃった方のドロップイン受け入れストップ、夜間のストップなどもしていましたが、それ以外は続けています。

オープンからこれまで、たくさんの方がいらっしゃいました。
近隣のフリーランサーの方、近隣の飲食店にお勤めの方のシェアキッチン利用、コロナ禍のテレワーカー、アーティストさんが絵を展示しに来られたりもしています。老後の楽しみを探すような方もいらっしゃいますが、これは住宅地ならではかもしれません。

ホテルのシェフで自分で接客をしたいからとシェアキッチンを使われる方や、住人の方が在宅ワークでオンライン会議の時間帯はここを利用するということもあります。成田空港と東京の両方に近いから幕張を選んでいるという国際的なお仕事をされている方もいらっしゃいます。また、受験生や浪人生もいらっしゃいます。

会員様の住所は2km圏内がほとんどで、交通手段はほぼ歩きか自転車というのも特徴です。

コワーキングスペース内のコミュニティ=地域のコミュニティ

TENT幕張では今後、「街の住民のふんわりした夢を実現する」ということを目標においています。
例えば、住民の方が「公園でマルシェがあればいいのにな」とご相談に来られ、会員様にお声がけしたところ、たくさんの方が出したいといってくださりました。理由としては、集客目的や飲食店をやっているのでもちろん出店したいという方や、ボランティアで協力すると言っていただいた方もいらっしゃいました。

その結果、TENT幕張の会員様だけで約20ブースできました。これは、大きな効果だと思います。これからも、このように住民の方の思いを実現できればいいなと思います。

住宅地のコワーキングスペースということは、つまり働き手世代のワーカーコミュニティが住宅地にあるということです。自分の住む地域であればプロボノ活動をしたいという方もいらっしゃいます。地域問題をビジネスとして解決しようというアイデアや活力を持っているのが住宅地にあるコワーキングスペースの会員様の特徴だと思います。

そのため、そのため、地域のコミュニティ(自治会など)のシステムを作ってあげる、商店街の集客を手伝ってあげるという方もいらっしゃいます。マンション管理組合ではなかなか自分から声を上げにくいのですが、外から良い距離で手伝えるというのもあると思います。

町田市にTENT成瀬をオープン、新たな挑戦を続けています

当社は今年春、TENT成瀬を町田市にオープンしました。
こちらは「UR団地内店舗におけるシェアリングエコノミーを通じたフードサービスを核とする活性化事業に関する提案募集」に採択され、オープンすることになりました。

町田市の築40年の賃貸マンションの足元にコワーキングスペースとシェアキッチン・ボックスショップを併設した店舗で、町田駅と長津田駅に挟まれた住宅街の成瀬駅前に位置しています。マンションの自治会は役員の高齢化や、なり手不足で活動が停滞しています。マンションの広場も数十年使われていないということでした。幕張とは真逆のイメージですね。

ここにコワーキングスペースを作れば、色々なことができると考えました。
コロナの緊急事態宣言下でオープンしているのでやれることに限りがあり、まだできないことが多いですが、「ここでマルシェやっていいですか」という方もいらっしゃいます。コロナの影響でお店が出せなくなった方がシェアキッチンを活用してラーメン屋さんを始めました。その結果、ラーメン屋さんの整理券を求めて朝から列ができるようになりました。

まだまだこれからだと思いますが、このような場所を作って、住宅地の活性化や新しいライフスタイルの提供を行っていきたいと思います。

「コワーキングスペース周辺の住宅地」との関係をどのように作るか

コワーキングスペースを住宅地に作って運営されている方は、同じような考え方をされていると思います。そのような方とも、どんどんつながっていきたいと思います。また都市部でコワーキングスペースを運営されている方は、「施設近辺の住宅地とどのように関係を作っていくと、どう面白くなるのか」という視点も持っていただきたいなと思います。

本日はありがとうございました。


この記事は一般社団法人コワーキングスペース協会が主催するコワーキングスペース運営者勉強会でお話いただいた内容をもとに作成しております。

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「THE BRANCH(ザ・ブランチ)」を運営するエイチエフユナイテッド株式会社代表取締役 日比靖仁さんとITソリューション事業部 部長 加藤崇さんにお話いただきました(第78回コワーキングスペース運営者勉強会®) https://coworking-japan.org/20210720-thebranch/ Wed, 21 Jul 2021 06:00:00 +0000 https://coworking-japan.org/?p=6430 エイチエフユナイテッド株式会社が運営する埼玉県所沢市のコワーキングスペース「THE BRANCH(ザ・ブランチ)」について、代表取締役 日比靖仁さんとITソリューション事業部 部長 加藤崇さんにお話いただきました。

日時:2021年7月20日(火曜日)19時~21時
場所:THE BRANCH(ザ・ブランチ)(オンライン配信も同時開催)

2021年5月にTHE BRANCHをオープン 建設業などさまざまな事業を展開

THE BRANCHを運営していますエイチエフユナイテッド株式会社 代表取締役の日比と申します。当社では、2020年秋ごろからコワーキングスペースを運営しようということで準備を進めてきました。10月頃からは、さまざまなコワーキングスペースを回り勉強をしてきました。

2021年2月にこの場所を契約して工事を進め、プレオープンを経て5月17日にグランドオープンしました。現在、オープンして約2ヶ月たったところです。まだまだバタバタの毎日で手探り状態ですが、本日はよろしくお願いします。

まずは、運営会社の説明をさせていただきます。エイチエフユナイテッド株式会社は2020年6月頃に移転し、現在本社は鎌倉にあります。私が26歳の時に独立し設立した会社で、設立は平成9年、現在25期目です。従業員数はグループ会社3社合わせて社員40名、アルバイト・パート25名程度で運営をしています。

私は17歳からとび職人をしていた関係で、事業内容は現在も建設業がメインとなっています。それ以外に、所沢で一店舗会員制のバーを運営しています。完全に会員制で、9坪8席だけの看板も出ていないような小さなお店です。裏通りのビル2階の奥、知らない人は絶対に来られないような場所にあります。2019年12月に開業して、コロナが流行するまではとても順調だったのですが、オープン2ヶ月くらいでコロナが流行し始めた都合で現在は休業と営業を繰り返しながら運営しています。

ほかに、不動産会社さんやオーナーさんを顧客として、賃貸物件の入居者が入れ替わる際にお部屋を元の状態に戻す「原状回復」を専門としたリフォーム業を行っています。近年は、不動産業として土地を仕入れて建物を建てて売却するというようなミニデベロッパーを始めています。また、10年以上当社のウェブ関係を担当してくれている加藤(THE BRANCHの事業責任者)が今年当社に入社しまして、ウェブ制作やインターネット広告代行などを行っています。最後に、1店舗のみですがコインランドリーを経営しています。このように、少しずついろいろな事業を展開している中で、今回コワーキングスペースの運営を始めました。

会社として多角化経営を推奨、コワーキングスペースはバーに代わる店舗ビジネス

では、なぜ当社がコワーキングスペースを始めたのかという理由をお話します。まず大前提として「会社として多角化経営を推奨している」ということがあります。現在のような変化が速い時代では、一つ調子がいい事業があるからといってそれに頼っていると、想像もしなかった要因で流れが変わるということが起こり得ます。そうならないためにも、「なるべくいろいろな事業にチャレンジしたい」ということは、コロナ前から考えていました。

コロナ前に始めた会員制のバーは、8席しかないのですが月の売上が300~350万円程ありました。とても面白いビジネスモデルだなと我ながら思っていて、このビジネススタイルを多店舗展開するつもりでした。それがコロナの影響で難しくなってしまったので、他の店舗ビジネスを検討しており、コワーキングスペース運営はその候補の一つでした。

初期投資をするビジネス体系

新規事業の候補がいくつかある中で、選定基準としてはある程度しっかり初期投資をするビジネスがしたいと考えていました。

その理由は、若い経営者の方と勉強会でご一緒することがあり、本当にアイデアやガッツがあって、私は20年以上経営者をしていますがそれでも「勝てないな」「この子たちとバッティングするようなビジネスは厳しいな」と感じていました。

ビジネスの考え方としては、スモールスタートで投資を最小限にして最悪失敗しても良いというものもあると思いますが、それでは若い経営者にアイデアやガッツで追いつけない可能性があります。幸い、これまで経営してきた中で資本をかけて事業をできるような体制になってきていたので、若手経営者とバッティングしないためにもある程度資本をかけて行うビジネスを展開したいと考えていました。

また、コロナ禍でテレワークの普及や働き方の多様化等がある中で、コワーキングスペースは需要が見込める業種の一つだと考え、今取り組むにふさわしいと思い始めることにしました。

「売却」できる可能性のあるビジネス

私は現在52歳で、「いつまでも事業を自らが行うこともできない」「どこかのタイミングで後継者に事業を譲るか売却をするかやめるかくらいしか出口はない」ということを、最近になって考えるようになりました。

そう考えた時に、実際に売却をするかは別として、コワーキングスペースという業態は、売却しやすいビジネスであると考えました。属人的ではなく、ある程度会員さんが集まっていれば継続して収益が見込めるビジネス形態だと思います。このような理由から、コワーキングスペース事業に魅力を感じ、現在に至っています。

あえて有人対応を選択 人との繋がりを作る場を目指す

ここからは具体的な事業の説明をさせていただきます。THE BRANCHの事業責任者の加藤と申します。よろしくお願いします。

THE BRANCHのコンセプトには、「自動化全盛期の今だからこそ、あえて有人のコワーキングスペースにして人とのつながりを大切にしたい」というのが第一にありました。また、コーヒーやフリースナックなどのサービスを設置して、他店との差別化を意識しました。支払いに関しては、全てキャッシュレス化することで現金を取り扱わず工数を削減しています。

都心から近い郊外型」「都心のベッドタウンになるような立地」ということで、会員様を所沢から出さないというイメージで集客をしています。カフェでお仕事をされる方もいらっしゃると思いますが、カフェとは違ってゆとりがあること、Wi-Fiなどの通信環境を充実させることをコンセプトに運営しています。

人とのつながりということで、8月頃からイベント等を計画していましたが、コロナの影響で中止になってしまいました。そのような企画も今後たくさんして発信していきたいと思っています。

ワンフロアで複数タイプのワークスペースを展開

THE BRANCHは、所沢駅前の銀行の入っている建物の3階に位置しています。

施設の概要としては、コワーキングエリアのフリー席が31席テレワークブースが2席あります。貸し会議室は、6名用が2室4名用が1室あり、6名用は最大で8名様までご利用いただけます。固定オフィスは、3名用が2室2名用が3室1名用が1室個別デスク席が9席あります。全体で70坪程度となっており、ゆったりとした造りになっています。

料金体系をご説明します。

会員種別として、フリードロップイン・ドロップインメンバー・オールタイムメンバー・デイタイムメンバ―・ナイト&ホリデーメンバー・モーニングメンバー・法人メンバー・オフィスメンバーがあります。

会員様になっていただくことで、テレワークブースや、会議室の利用料が半額になります。特徴的なのが、ドロップインメンバーで、月額利用料2200円をお支払いいただくことで通常のフリーのドロップインの方よりもお安くご利用いただけるようになります。1日利用を4日以上していただく方であれば、こちらの方がお安くなり、会議室のご利用料金も半額になります。

運営ツールには自社開発システムも活用

管理に関しては、自社で「BRANCO」というシステムを開発しました。

仕組みは、ユーザーさんがメールアドレスを登録していただくと、認証URLのメールが届くのでそれをクリックして必要情報を登録します。これは事前にしていただくこともできますし、来店してその場でしていただくこともできます。必要情報を登録した後、BRANCOのシステムの中で会員ステータスを選択します。最後に店頭で本契約を結ぶ形です。

入室には「Akerun Pro」というスマートロックを利用しています。その合鍵の発行などもこのBRANCOのシステムからAPIを連携して発行しています。カギを発行してお客様にお渡しするという作業を受付カウンターで行っており、メンバーのステータスをICカードのカラーで分け管理しています。

契約後の課金に関してはオンライン決済プラットフォームの「Stripe」を利用しており、登録利用料・継続課金を運用しています。ドロップインメンバー以上の方にはBRANCOを使用し、フリードロップインの方はレジ課金をしています。レジ課金は「Airレジ」というシステムを使用しています。ドロップインの方が外出される際には、フリー用のICカードをお渡しして出入りをしていただいています。

シェアオフィスの個室をご利用される法人の方や個人事業主の方には、「Paid」というBtoBの後払い決済サービスを導入しています。登録していただいてから与信に数日かかりますが、審査が通った段階で契約させていただいています。Paidを利用することで管理が楽になることに加え、そこで与信を取っていただけるので安心して契約することができます。

オープンに向けてウェブとSNSの施策に注力

次に、ウェブやSNS関連で力を入れた施策をご紹介します。

オープン2か月前からウェブを公開、地域SEOに力を入れました

まずウェブサイトについてです。コワーキングスペースは地域SEOを取らないとなかなか認知が上がらないと考え、地域SEOに力を入れました。具体的には「所沢 コワーキングスペース」というキーワードでの上位表示を目標にしました。オープン2ヵ月前くらいからウェブを公開し、有力な地域ブロガーさんにコンタクトをとって記事を書いてもらい被リンクを獲得したり、選定したキーワードでスタッフに記事を書いてもらったり、Googleマイビジネスも早い段階で整備しました。

現在、「所沢 コワーキングスペース」でGoogle検索をすると、GoogleMapではトップ画面表示の中の下から3番目、キーワード検索では一番上に表示されるので、これは成功したと思っています。

SNSも積極的に展開、Googleアナリティクス等の分析も活用

SNSは、現段階でデータを取った時点でフォロー/登録者数が、Facebookが80名、Twitterが64名、Instagramが141名、LINE公式アカウントが134名となっています。これらの数は、日々増えてきています。地域SEO を行ったことで、自然検索の流入が増え認知が広がっているというのは、データ分析の結果からも感じています。狙っているキーワードで流入してもらえているので、当初の戦略は間違っていなかったと思います。

このような集客をしてきて、現在の状況をご説明します。

コワーキングメンバーでは、ドロップインメンバーが11名、オールタイム(平日6時~22時、土日祝6時~20時)が6名、デイタイムが1名、ナイト&ホリデーが2名、モーニング6名、スチューデントというSNSのみでクローズで集客した格安プランの方が10名前後、総来店者数が7月14日現在で483名、ユニーク来店者数が162名となっています。5月にオープンをしたので約2ヶ月での数字です。LINE公式アカウントやウェブサイトで「初めての方の500円利用券」を配布しているので、ユニークの数を稼げているという要因もあります。

良かった点:地域SEOがうまくハマって認知拡大と集客に成功した

これまで準備・運営をしてきて良かったと感じている点は、集客に関して、地域SEOがうまくはまって認知がされてきているという点です。他には、管理システムの「BRANCO」は自社で作ったので、運用でうまくいかない部分やスタッフからの改善案をすぐに反映できます。この点は、既存のシステムを利用するよりも良かったなと感じています。また、オープン時の求人で、良いスタッフが確保できたのも良かったです。

悪かった点:営業開始後2週間程度で、価格を変更せざるを得なかった

反省点は、Twitter以外のSNSの展開が少し遅かったことです。特に、LINE公式アカウントなどはもっと早くに始めた方が良かったなと感じました。

また、営業し始めて2週間程度で価格を変更しましました。価格に関しては、オープン前にしっかりと設定しておけばよかったというのが反省点です。他には、空調などの細かい仕様の問題点に施工段階で気が付けなかった、各種助成金の申請も遅れてしまった点も反省点です。

このように試行錯誤をしながらTHE BRANCHを運営しています。所沢にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

本日はありがとうございました。


この記事は一般社団法人コワーキングスペース協会が主催するコワーキングスペース運営者勉強会でお話いただいた内容をもとに作成しております。

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「蒲田のシェアスペース おおたfab」を運営するスマイルリンク株式会社 代表取締役社長 大林マリコさんにお話いただきました。(第77回コワーキングスペース運営者勉強会®) https://coworking-japan.org/20210519-otafab/ Wed, 19 May 2021 00:30:00 +0000 https://coworking-japan.org/?p=6228 スマイルリンク株式会社が運営するコワーキングスペース「蒲田のシェアスペース おおたfab」について代表取締役社長 大林マリコさんにお話いただきました。

日時:2021年5月19日(水曜日)19時~21時
場所:蒲田のシェアスペース おおたfab(オンライン配信も同時開催)

「おおたfab(ファブ)」の大林と申します。本日は、第77回コワーキングスペース運営者勉強会ということで、蒲田駅西口2分の仕事と趣味のシェアスペース「おおたfab」についてお話します。「おおたfab」をどんな思いで作ってきたのか、これまでどんなことをやってきたのか等についてお話したいと思います。よろしくお願いします。

コワーキングスペースとFabLabの物づくりスペースを併設したのが「おおたfab」

「おおたfab」はJR蒲田駅鎌田西口すぐに位置しており、ビルの6階にあります。世界的な市民工房であるFabLab(ファブラボ)の一員です。FabLabとは、デジタルからアナログまでの多様な工作機械を備えた実験的な市民工房のネットワークで、現在日本に約20か所、世界では2000か所以上あるといわれています。

「おおたfab」はコワーキングスペースとFabLabの物づくりスペースを併設しています。子供向けのロボットプログラミング教室も開いており、子供OKというのも特徴の一つです。大人が作業をしていて子供がそれを見ているのもよく見られる光景です。コワーキングスペースの月額料金が4,400円(税別)~となっており、ご利用いただく時間帯や内容によってさまざまな料金プランを設けています。

退職後3Dプリンタを作り、産学連携施設にてFabLabをスタート

私がなぜ「おおたfab」を運営するようになったのか、経緯をお伝えします。

私は大学を卒業してからキヤノン㈱という会社で長く働いていました。2012年退社した後は、雑貨を作ったり、特許を取ったり、文房具を作ったりしていました。色々なご縁があり、2013年に3Dプリンタを作る機会がありました。3Dプリンタは私ともう一社さんと一緒に開発をして、販売することになりました。

3Dプリンタを作ったものの、「3Dプリンタを買ってください」といっても、誰もあまりピンと来ませんよね。それなら、「使ってもらう施設があった方がいいのではないか」ということで、3Dプリンタを使える施設を作ることにしました。場所は、梅屋敷という蒲田の反対側、京急蒲田という現在の「おおたfab」のある場所から歩いて20分くらいところです。

大田区はモノづくりに関して優遇がある自治体で、旧小学校の教室を低価格で貸りられる産学連携施設を利用し、2015年に「市民工房おおたfab 」としてFabLabをスタートしました。FabLabでは、私たちが作った3Dプリンタだけでなく、レーザーカッター、UVプリンタ等を設置して、モノづくり施設として運営していました。

スペースが狭くなり現在の場所へ移転 
コワーキングスペースを併設して「おおたfab」が生まれました

その後、教室1部屋だとスペースが狭いので、2017年に現在の場所に移転し、その際にコワーキングスペースを併設し「おおたfab」となりました。私個人として、退職してすぐの頃は、お台場にあるコワーキングスペースに入居していたので、体感としてコワーキングスペースがどのようなものか知っていました。

2021年には、「おおたfab」内に皆さんの作品等を並べたセレクトショップ・シェア型の本屋さん等も始めました。「蒲田コワーキングスペース おおたfab」というYouTubeもやっています。全てのことが初めてだったので、失敗しながら試行錯誤を繰り返しやってきた中で、このようなさまざまな取り組みをしています。

私個人としては、3Dプリンタを作っているということもあり、大田区の将来像等検討委員やJISの委員等、色々なことをやらせていただいています。

「なぜめぐり会うのかを」という「糸」という歌のワンフレーズがありますが、人とめぐり合うのは、学校や会社等、既存のコミュニティの中であることが多いと思います。「おおたfab」は、そのような既存の流れが「縦糸」だとすると、「横糸」のような存在でありたいと思っています。「そうやって交わることで面白いことが起こるのかな」という思いが心の中にあったということも、「おおたfab」を作ったきっかけの一つです。

FanLabは会員制、都内最多の3Dプリンタを15台完備

「おおたfab」についてご紹介します。面積は200㎡以上で広々としていて、窓が色々な方向にあるので昼間はとても明るいです。窓が多いので、コロナ禍においても換気の面では安心してご利用いただけると思います。コワーキングスペースは、フリードリンクで、リモート会議のスペースもあります。登記が可能となっており、ドロップインのご利用は1時間450円~となっています。

一角には、都内最多の3Dプリンタを15台完備しているモノづくりスペースFanLab(デジタル工房)がありますが、こちらはコワーキングスペースとは別で会員制になっています。3Dプリンタの他、レーザーカッター、UVプリンタもあり、デジタル工房としては一通りの設備が揃っています。

多種多様なイベントも積極的に開催

「おおたfab」は、「参加型実験スペース」と名付けており、「おおたFab交差点」というフリーペーパーも発行しています。そこにも記載しているのですが、特徴はイベントです。開催しているイベントには、近くに住んでいる小説家の先生による文章教室、3Dプリンタの講座、電子工作、商品化クラブ等、多種多様なものがあります。

「協力しあうコミュニティ」ということで、素人ロボット活動として、ロボットについて知っている人と知らない人が共同で月1回活動を行っています。他にも、古いルンバをヤフオク等で調達して、分解して動かそうというイベントも行っています。バックグラウンドの違うメンバーがみんなで活動しています。

イベントは「おおたfab」のご利用者に限らず、どなたでもご参加いただけます。LINEで友だち登録をしていただくと、月に一度イベント情報が届きます。興味がある方は、ぜひ登録して参加してみてください。

「おおたfab」から生まれる新たな商品

他にも、「おおたfab」では、メンバーによってさまざまな商品が生み出されています。その一部をご紹介します。

「FUKU助」という製品は、大田区のビジネスプランコンテストで最優秀賞、東京都のコンペティションで東京都ベンチャー技術優秀賞を受賞しています。これは日本の高齢化社会に備えて、薬の飲み忘れを防止するため開発された薬を出す機械です。決まった時間になると自動で引き出しから薬がでてきて、「忘れずに飲んでくださいね」という音声がなります。また、きちんと忘れずに飲んだかという記録が残ります。お医者さんとしても、薬を飲んで効いていないのか、きちんと飲めていないか効いていないかを判断する手段になります。開発時は、3Dプリンタを使用して作成しました。

水滴が下から浮き上がって見える仕組みのアロマディフューザー「Undrop(アンドロップ)」も、おおたfabのメンバーが制作しました。これは現在クラウドファンディングの準備中なので、興味のある方はぜひご協力ください。

その他、「オフィスde栽培」という自動水やりシステムがあります。ここに置いている植物には、自動で水をやっています。「富士山の砂礫」といういわゆる礫(つぶて)を使用しており、水はけもよく商品化できるのではないかということで、開発をしています。時期よってはミニトマトが毎日採れるなど、子供たちも楽しんでくれていました。これも引き続き行っています。

このように多くの商品がここから生まれるのは、もちろん利用者様がここで制作活動を行っているからですが、「おおたfab」としては、利用者さんが商品を生み出すのを応援したり共有したりするイベントを行っています。

例えば、「FUKU助」は薬を入れる紙パックを中に入れる仕組みになっているのですが、その開発をどのようなスケジュールで行ったのか、どのような試作を行ったか等のストーリーを、定期的に共有していました。開発に関する課題に対して意見をやり取りする場を設けるなど、商品開発を応援してきました。

2021年から「おおたfab」にはショップを併設しており、色んな方に出品していただいています。コロナ禍で展示会やイベント等の機会が減っているということもあり、作品発表の場としても活用いただいています。例えば、学生がアクセサリーを作ったり、普段はSEをされている方が作った作品を並べたり、そのような販売の機会を提供しています。

コロナ禍ではストップしていますが、Maker Faire(メイカーフェア)に「おおたfab」として出展したこともあります。1日10万円くらい売り上げみんなで盛り上がったり、その後に振り返り会を行ったりしました。みなさん所属する会社もバックグラウンドも違う方ばかりですが、このように一緒に活動をしています。

コロナ禍でも皆が楽しめる新たな企画も

ショップ同様、2021年から始めたのが、「みんなが店長 本屋さん」というシェア型の本屋さんです。シェア型本屋さんは今たくさんありますが、一つのハコを借りていただいて、そのスペースで本を売っていただくというものです。一番売れているのは「まいりすブックス」さんで、小学3年生が店長として本をセレクトして並べています。売上は彼女のお小遣いになるそうです。その他にも、学習塾の先生がおすすめの本を並べているハコや、文章教室にもご協力いただいている小説家の先生の本や、我々が作っている同人誌等も並べています。ルンバを作った方もモノづくりのお手伝いをして下さっており、その方の本も並んでいます。

先ほどご紹介した同人誌も発行しており現在第4号を準備中です。始めは私が編集をしていましたが、第2号からはメンバーのデザイナーさんにご協力いただき、見違えるようにいい本になりました。小説家の先生にもご協力いただき、どんどん盛り上がって素敵に進化しています。自分たちで印刷して作っている簡単なものですが、私を含めメンバーの活動のアクセントになっています。

Kindle出版の勉強会も開いており、ここから10冊以上の本が生まれました。私も3Dプリンタを作った話や、自分の商品を作ってみようという本を書きました。勉強会に参加された著者の方には、Amazonからの購入よりKindleからの収入の方が多いという方もいらっしゃって、会員である意味をすごく感じていただけるので嬉しいですね。Kindleでは2021年5月現在、「おおたfab文庫」として11冊が出版されています。どれも面白い本ばかりなのでぜひご覧ください。

IoT実用化研究会として、顔認証システムを検証

コロナ禍ではお休みしていますが、受付ではIoT実用化研究会が、顔認証システムを入れて試していました。IoTはしばらく前から注目されていますが、「どうやって、どこまで実用するのか」という点が難しかったと思います。それを実際に安くうまくやる方法にはどういう方法がいいだろうということで、検証をしていました。

具体的には、顔を登録している人が受付でボタンを押すと、認識してメールが来るようなシステムになっています。カギと組み合わせる等色々な方法があると思いますが、まずはこの仕組みでやってみていました。

その他、「モノレールinおおたfab」ということで、Fabスペースではモノレールが走っています。既存のプラレールや100円均一のプラレールを使用して、既存のものと3Dプリンタで作ったものを組み合わせながら、時間になったら回るようにしたり、カメラを付けてみたりしています。「普通のプラレールだと線路で遮られて下が見えないのでモノレールにしたらいいんじゃないか」等、いろんな意見を取り入れながら設置しています。

「電車時計」というものもあり、毎時1時間ごとに時間をお知らせして走っています。これも3Dプリンタやレーザーカッター等を組み合わせて制作しました。

重要なのは、3つが重なる真ん中の部分だと考えています

このようにさまざまな活動を行っていますが、活動の核となるのは「コワーキングスペース」「FabLab」「ロボットプログラミング教室」の3つが重なる真ん中の部分だと考えています。ロボットプログラミング教室のお子さんが本屋さんをやっていたり、コワーキングスペースのメンバーの方が一緒にイベントをやってくれたり、参加する分野をまたいで活動をしてくださる方がたくさんいらっしゃいます。

「おおたfab」の活動は、子供から大人まで、仕事なのか生活を豊かにする目的なのかという軸で考えても、色んな分野に広がっています。効率という意味ではよくないのかもしれませんが、色々な方が混じって色々なことをやっているのが実態です。始めは自分の領域で参加され、それに慣れてくると領域をまたいで違うことにチャレンジされる方がたくさんいらっしゃいます。メンバーみんなで協力しながらここまでやってきて、今の形になっています。

SNSもやっているので興味がある方は登録していただき、ぜひ一緒に実験しましょう。まだまだ、皆さまとやれることがあると思っています。


この記事は一般社団法人コワーキングスペース協会が主催するコワーキングスペース運営者勉強会でお話いただいた内容をもとに作成しております。

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